見出し画像

絵を描くこと / 立体を作ること

大学入学当時、私は油絵作品ばかりを制作していました。絵を描いていた理由としては、大学受験のために長い間絵画制作のみに打ち込んでいたが故にその他の技法や形式に挑戦しないままになっていた。と言うのが正直なところです。こういった状態は大学に入学したばかりの美大生において多く見受けられるものかと思います。
かと言って私は絵画以外の何かに挑戦してみたい!という強い思いに駆られていたわけでもなく、ただ四角いキャンバスのフレームから絵の具が抜け出せないことに違和感を感じていました。

そもそも私にとって絵を描く行為は筆・油・絵の具という物質と自分の身体の動きの関係性を重視し、瞬間的にしか生まれ得ない物質の表情を表出させることを中心に考えていたため、いわゆるモチーフを描きだすような”絵を描く”行為とはズレがありました。

キャンバスと向き合っている限りは既製品としてのキャンバスの矩形の比率の外側へ抜け出すことはできない、という思いからある時キャンバスの布地をフレームから引き剥がすという表現に発展しました。

この作品を制作したとき「あなたの作っているものは絵画か否か」と問われることが度々ありました。当時は筆を持ち、絵の具を用いているので「絵画」だと思っていましたし、そのように主張してきました。しかし、立体作品やインスタレーション作品を作るようになった現在の自分の視点から考え直してみると、「絵画」や「彫刻」と言われるカテゴリーを外れた「何か」であったと思います。

この絵画でも彫刻でもない「何か」を作りたいという気持ちは、後の立体作品制作時や現在にも引き継がれてゆきます。

次回の投稿では、今回の話から「絵画」や「彫刻」と言われるものは一体なんなのか。を私なりに考察してみたいと思います。

#art #artwork #contemporaryart

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?