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神崎 麗③

美沙と談笑した後、始業式が始まった。

内容は春休みが終わってまた学校生活が始まるので気を引き締めなさいみたいな退屈な事だった。

始業式が終わると麗は下駄箱で靴を履き替えていると美沙は急いで追ってきた。

「一緒に帰ろうよ。」

と誘ってきたので麗は一緒に帰る事にした。

美沙は暫く麗と並んで歩いた後に口を開いた。

「そういえば天城君と武藤君と一緒にいるのよく見るけどどっちと付き合ってんの?」

いきなりの質問に麗は目を見開いて、

「別にどっちも付き合ってないよ!どっちも幼稚園からの幼馴染ってとこだから。」

「ふーん。そうなんだ。麗に嫉妬してる子多いから気をつけて。武藤君は結構人気者だからね。」

「知ってるけど翔は彼女作らないみたい。クラブに熱心だから...。」

「本当にそう思う?」

「どういう意味?」

「噂では武藤君に告白した子が言ってたみたいなんだけど好きな子がいるから付き合えないってフったみたいだよ。」

「そうなんだ。でもきっとそれって私じゃないと思う。もう10年以上も一緒にいるのにそういう事言われた事ないし。それにサッカー部ってマネージャーの女の子が何人かいるからそういった子じゃないかな?」

「気になるなぁ...武藤君の好きな女の子...。」

「もしかして好きなの?」

「好きなのかはわからないけど嫌な噂聞かないし...。それにもういい歳なんだし男子と付き合ってみたいじゃない?」

「遊びたかったら誘ってみようか?」

「本当に?」

「うん。でも男子1女子2だと変な感じになるから遊ぶとしたら、きっと真ちゃんも一緒になると思うけど...。」

「天城君?構わないけど...無口っぽいから天城君は麗にお任せかな?」

「人見知りなだけだよ。真ちゃんは優しいよ。」

「いいなぁ。2人もいい男子がいて。私も男に選択肢があればなぁ。」

「何度も言うけどどっちも付き合ってないし、これからもずっと幼馴染の友達だよ。」

「まぁ、それなら武藤君の情報は麗に聞けばバッチリだね。」

美沙は嬉しそうに帰り道を麗と歩いて行った。

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