告白②

朝練を終えて教室に向かおうとした翔はロッカーで上靴に履き替えようとした時に手紙が入っている事に気付いた。

翔はすぐにポケットにしまいこんでその場を後にした。

誰かに見られても嫌だったので朝礼が始まるまで10分程あったので、誰も来ない理科準備室の前まで走った。

誰もいない事を確認した後、手紙を広げてみると、

『はじめまして、1年の持田結奈です。

今日、話したい事があるので授業が終わったら屋上で待ってます。』

少ない文字で何を言われるのかが想像できたが、とりあえず手紙を折り曲げ、ポケットにしまった。

翔は誰にも相談できずに授業中に時折、麗の方を見ては俯いた。

授業の間の休憩時間に翔はぼんやりしていると、

「翔?」

麗が話し掛けてくると全く気付いていなかった翔は咄嗟に動いたせいか椅子からずり落ちた。

「いたっ。」

「もう何してるの。」

翔は椅子に座り直すと麗は前の席に座って翔の方を向いた。

「どうしたの?サッカーの試合で何か悩んでる?」

「いや...。」

「じゃあ人間関係だ。」

「ん...いや...そういう事じゃなくて...。」

翔の目には麗の粒らで大きな瞳が映った後、下にずらしていくと綺麗なピンク色の唇が目に入った。

翔の胸は高まるばかり、そしてもう少し下に行くと首元から鎖骨が見えた。

「あの...あのさ...」

翔が言い出すと同時に次の授業のチャイムが鳴り出した。

「ごめんね。もしよかったら後で聞かせてね。」

麗が自分の席に戻ると翔は正気に戻ったかの様に深く溜息を吐いた。

(俺...どうしちゃったんだろ...?)

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