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縁の君へ②

翔が麗の歌に合わせて鈴を鳴らしていると、

「今度は立ちながら鳴らしてみて。」

麗に言われた通り翔は立ちあがり、麗の歌に合わせて鈴をならした。

「身体でリズムをとってね。」

翔と真一は少しずつ身体を上下しながら楽器を鳴らした。

翔は暫く続けていると楽器を見ないでも鳴らせる様になっており次第に歌を口ずさみ始める。

そして日も暮れる頃には歌いながら楽器を演奏出来るようにもなっていた。

「じゃあこの調子でお遊戯会も頑張ろうね。」

麗の言葉に翔は大きく手を振って家路へと着いた。

毎日3人で練習する様になってからクラスでの練習でも皆の足を引っ張る事も少なくなった。

そして日が過ぎ、お遊戯会の当日。

翔は起きようとすると目眩がした。

「あ...れ...?」

食卓に向かい、母親に、

「お母さん...何か...頭が痛い...。」

「ちょっとこっちへきなさい。」

翔は母親に近寄ると母親は翔の額に手を当てた。

「あらやだ。」

母親は居間に向かい、タンスから体温計を持ってきた。

「これを脇に挟んで。」

翔は体温計を脇に挟んで暫くすると体温計の電子音が鳴る。

母親はその体温計を見てみるとその数値は38.2℃を表示していた。

「熱があるみたいね。今日は幼稚園は休みなさい。」

「えっ...。」

お遊戯会には母親も参加予定で今日は仕事をやすんでいた。

翔に熱があるから無理矢理行かせる訳にもいかず、母親は翔と共に朝食を食べると翔を布団へと誘導した。

翔は横になりながら時折、横を向いて窓から空を見た。

『せっかくあんなに練習したのにな...。』

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