「dream sketcher e.p.2」あとがき

 2023年12月2日開催の「ゆめゆめドリームワールド!!V!!」にて、成宮由愛イメージサウンドEP「dream sketcher e.p.2」を公開しました。

時間、ない

 あんまり言い訳っぽいことを言うのもなんですけど、とにかく時間がなく、厳しい作業になりました。今回、新曲の制作期間は2曲作るのに2週間くらい。これが一般的に早いか遅いかはわからないですけど、自分にとっては異常に早い方でした。本当に時間が無かったので四の五の言わずやるしかなかった。ただ、追い詰められるとこの速度でも「出来る」のはわかったのは、そこはやった甲斐があったかなと思っています。時間があれば全体の完成度をもっと高められたはずだけど、〆切までの限られた時間で出来ることをしていくしかない、そういうものなのかなと思います。

 作品は存在しなくてもよいというレギュレーションだったけど、でも、どうしても作品を出すことには拘っていました。何故なら、自分は〆切がないと創作行為が出来ない人間だってことを自覚していたから。そして、その〆切にもっとも拘束力を与えるのが、成宮由愛ちゃんの存在です。まあ、由愛ちゃん関連でもないと頑張りたいって思えないんですよね。これはこれでどうかと思わなくもないですけど。

 あと、以前開催されたゆめドリnullにおいて初めてサークルを名乗り作品を出したというのもあるし、その流れで実際にゆめドリ3でCDを頒布するところまで行っているのもあり、少なからず「ゆめゆめドリームワールド!!」というイベントへの思い入れは強くてですね。どうしても作品を完成させたいという、執着にも似た気持ちはありました。

Colors of the Moon

 「ひじゆめ」をテーマとするに当たって、2つの音色でメロを奏でることでデュオ感を表現する、というのは最初から考えていました。由愛ちゃん側は跳ねたような単音、聖ちゃん側は伸びやかなリード音を選び、左右にちょっとだけ定位を振って、それぞれが存在するようなミックスを目指していました。これ、アイマス曲のボーカルでもたまに見られるミックスなので、そこは意識してました。

 ただ、聖ちゃんにはもうボイスがあって歌声も聴くことが出来て、望月聖の音の「正解」が世に存在しています。インストで曲を作る際、ここがちょっと障害になるような感覚がありました。どういう音色を選ぶべきか?もう存在する歌声に近いものを選ぶべき?と悩んでしまって。それに、メロを書いていても、このメロの音域は歌える音域になってるのかな?みたいなことも頭をよぎるわけです。

 悩んだ結果、変に歌声を意識した音色を選ぶよりは自分がインストの曲で表現したいと思える音色やメロディを重視することとしました。インストという表現を選んでいるのだから、歌を過剰に意識しなくてもいいはず。

 で、その聖ちゃん側のリード音。何を選んでもしっくり来なくて決まらなかったのですが、ふとmicroKORG Sを鳴らしてみたらいい音が見つかって即決しました。これ、買ってからずっと制作用のMIDIキーボード代わりにしてたんですけど、初めて曲の中に楽器として起用しました。見た目大好きで買ったシンセなんですけど、白ベースの見た目が聖ちゃんぽくて、今回音を使うことになったのも一つの巡り合わせなのかな~なんて。今考えました。

 余談なんですが、今まで由愛ちゃんをイメージした曲を作る際は上で挙げたことが全然障害にならなかったので、ボイスが無いことで自由に音楽が表現出来ている面もあるんだなと認識することになりました。だから多分、由愛ちゃんに声がついて曲が出たらこういう創作をしなくなっちゃうのかもしれないって思ってます。正解を得ることで、二次創作の音楽としてやれることが無くなって成仏しちゃうかもしれない。そろそろいい加減由愛ちゃんの声を聴きたいし、わたしに曲作りを止めさせてくれよな!!!頼むぞ!!!

Maia (YumeP Sound Team "misshe" Remix)

 Fuji Kさんの曲をリミックスする機会というのを前から伺っていました。以前から由愛ちゃんのイメージサウンドを作るPの同士として意識していましたし、好きな曲もあるので、リミックスをやってみるのも面白そうだなあと思っていました。

 あと、身も蓋もない話かもしれないですが、リミックスを選んだ理由のひとつが、最初に挙げたように時間が無かったからという面もあります。今回はゆめドリVでEPを出したいという良い機会もあるし、ゼロから新曲を作るよりは時間がかからずに出来そうな気がするということでやってみようと思ったんです。いや、リミックス自体は前からやりたいと思っていたんですよ本当に!

 実際やってみると、アレンジにかかる手間は変わらないどころか、ちょっと自分の色を出したくてコード進行に手を加えようとすると長考することも多く。また、人様の曲のリミックスで半端なものをお出しするわけにはいかないというプレッシャー。これらが合わさって、全くもって時短出来なかったという現実。読みが甘すぎる。

 Fuji Kさんが作られる由愛ちゃんのイメージ曲ですが、ウォームさや優しさが特徴かなと思っていて、そういう所を残しつつ自分らしさも程々に出せてアッパーなアレンジが上手くハマってくれたかなと思っています。プレッシャーもありましたが、耳コピしつつ自分ではやらなそうなコード進行に感心したり、どうアプローチしようかと考えてアレンジしていったり、そういう時間は本当に楽しかったです。

スウィート・エスケープ♪

 前のnoteで色々と書いたのでそちらへ。

 そういえば、曲名について書いていなかったと思いますが、最初は英語表記の「Sweet Escape」で考えてました。ちょっとお固いかもと思ってカタカナ表記にしましたが、"スウィート"は言わずもがな、「シガー・スウィート」からの引用です。スイートって書いてもよかったんですけど、ここは貰っておこうと。

 あと、最後の"♪"については、"エスケープ"だけだと「逃避」の意味合いで少々ネガティブな印象もしたので付け足しています。由愛ちゃん楽しそうな時によく語尾に♪が付くのもありますし、それも意識しつつ程よく柔らかい印象になったんじゃないかなと思います。

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 ゆめドリ4の開催告知が既にされていますね。サークル参加の予定で、作りたいCDの企画案を練りに練っている最中です。今回の制作が時間が取れず不本意な部分もあったので、時間に余裕を持って進捗管理しながら進めたいものです。出来れば来年4月半ばくらいにふぅ……脱稿余裕でした!!!っつってドヤりたいですね。言っちゃうと出来ないフラグっぽいけど、いや本当にちゃんとやりたいんですよ。〆切前本当につらいから。

 それとは別で、dream sketcher名義でない色んな曲を作りたい気持ちもあるし、絵ももう少し力をつけたいし。そういう「つくる」をやりつつもゲームしたり色んな作品に触れてたまには狂いたいし、もう時間が無限に欲しい。仕事が一番邪魔なんだけど、これがないと生活が出来ないし。ライフワークオタククリエイティブバランス、本っ当に難しいなと思ってます。

 「つくる」も「あそぶ」も、やりたいこと全部やりたいなというのが諦め切れないので、足掻きを続けてみるつもりです。生活に支障が出ない範囲で!

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