Next Monologue / misshe
曲が全然!さっぱり!!これっぽっちも出来ん!!!という日々を長く過ごしていた。
去年の11月に、"dream sketcher e.p."を制作し公開することが出来た。クオリティの話はさておくとして、自分の作りたかったひとつのパッケージを自分の力だけで作れたなという達成感はあった。わたしの担当アイドル、成宮由愛ちゃんへの積年の想いを形に出来たのだ。
が、それ以来1曲も完成されられていなかった。DTM自体はそれなりにやろうとしているが、どうにもいい感じにならない。数小節のフレーズ程度から先に進められない。スランプと言えるほどに元々音楽を作れていた人間ではなかったけれど、それにしても全然形にならなかった。
"dream sketcher e.p."に続き、「ゆめゆめドリームワールド!!2」でCDを頒布したいと思って曲を練っていたが、形にならず頓挫していたのもあった。己の不甲斐なさから気持ちは落ち込み、その後も曲が出来なかった。そのまま気付けば半年が経ってしまった。
いやいや、芸術家でもあるまいし、拘っていないでとにかくパッと作って完成させて公開しろよ!というのはわかっている。つもり。でも、最低限自分が好きな曲は作りたい。そうすると納得いくものが出来ない……。
と、悩ましい期間が長かったけれど、結果的に自分の一番作りやすいスタイルの曲を作ることで久しぶりに曲が出来上がった。
以前作った"feelings filament"という曲がある。これも自分の作りやすいスタイル、つまり手癖で作った曲だ。4つ打ちのビートから徐々にアルペジオやフレーズを重ねてビルドアップし、派手目のシンセリードでばーん!!な展開。
今回もだいたいそんな感じの曲である。とにかく作り切りたいと思っていたので、作り込みすぎず極力シンプルな構成とアレンジで進めていった。
とはいえ、今回はカットアップ系の音からトラックを組んでいたり、普段使わない音源を使ったり、普段やらないような編集も試したりしている。手癖だとしても、少しは進化していると思いたい。
ほぼ曲の完成形が見えてきた時、まだ曲名を思いついていなかった。これは自分の楽曲制作においてはかなり珍しいパターン。たいてい作り始めたあとすぐに思いつくか、そもそも曲名を先に決めてしまいイメージに沿うように作っていくことが多い。
曲名に悩む中で、ふと、こういう自分の手癖で作った曲は"独り言"のようだなと思った。多分、自分だけを満足させる為に存在していて、誰の方にも向いていない音楽。そんなモノローグのような曲ばかり作ってしまいがちだけど、でも、きっと私に取っては必要……なのだと思った。
あともう一点。この曲を作る少し前、友人がデジタル絵の練習ということで描いたイラストを見せてくれた。それがあって、多分この曲は出来ている。身近な人間が創作をしているというのが自分のモチベーションの源になって、ぐいぐいと曲作りが進んだ実感があった。
独り言のような音楽を作ったとしても、誰かの、何かの影響が必ずあり、少しでも前向きに進めたらいい。そういうことを思いながら、曲名を"Next Monologue"とした。
そういえば、今まで身近に創作活動をする人間って居なかったなと気付いた。上の友人は本当に最近仲良くなった人だ。居なかった理由は、自分が作曲を人に見せなかったからで、そういう集まりにも加わらなかったから。まあ、今でも作曲やDTMをする知り合いや友人はいないけど。
こういうことに気付くのがだいぶ遅かったなとは思うけど、過去を嘆いても仕方ないし、今後の課題としておきたい。でも、今後もなんとなくひとりのような気もしている。まあ、それはそれでいいかもね。