bloodthirsty butchersが大好きだ。

私はbloodthirsty butchersが大好きだ。
私は日本のロックの最高到達点にタッチしたのはブッチャーズだと確信している。
彼らは、人間というものを音楽という鏡に映している。本人らにはまったくそんな気はなかったろうが、それ故に何処までもありのままで嘘が無いのだ。
坊主の強面の男には不釣り合いな細い声で、触れると滲んでしまいそうな世界を歌い、ときには叫び、鳴き声のようなギターは、爆発したかとおもえば儚げに響いている。

彼らの表現の全てが、奇跡のバランスで偶然ロックという形で成り立っているように感じる。
ブッチャーズが持っていたそのバランスと、「わたし」というこれまた奇跡の存在の周波数が、ほぼ完全にシンクロしているから、私はブッチャーズを聴いて涙を流し胸を熱くするのだ。すなわち、「共鳴」である。
世の中にはブッチャーズと共鳴しない「わたし」も多くいるだろうが、(こういう事を言うのは良くないが)私はブッチャーズと共鳴する「わたし」で良かったと心底思う。
なぜ私はブッチャーズと共鳴するのだろうか。

吉村秀樹は、「伝説になっちゃいけないんだよ」と言い、若くしてこの世を去り、皮肉にも伝説になってしまった。
彼の遺した音楽は、彼がしたかったこと、つまり彼のための音楽だ。だが、それは私に届き、私のための音楽にもなった。彼は私の事なんか知りもしないが、そうやって重なり、共鳴している。
理由なんてなくとも、彼がうたうなら、私もうたうだけだ。そういうことになっていたのだ。

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