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最強の執筆環境を支える、最強の「第二の脳」は、Obsidianである~デジタルノートにとっての革命(という名の概念編)~

黒曜石で時代を切り開くために。

今回はTech的要素のお話しです。
最近、デジタルノート界隈ではかなり衝撃的なニュースが飛び込んできました。それは、かの有名なEvernoteの日本法人解散と言うものです。

Evernoteといえば「第二の脳」というセンセーショナルなフレーズと共に様々なノート術や日本のテック界隈のサービスにリンクし、ライフログサービスの魁として長らく君臨していたサービスです。

鮮やかな緑色を基調にして「Evernote Edition」という形でアナデジ文具が栄えたサービスは、なかなかに華々しかったですし、モバイル、PCとあらゆるデバイスから簡単に情報にアクセスでき、手頃なプレミアムサブスクリプションを使えば、セキュリティ面でも信頼性も高いサービスというのは当時画期的でした。

しかし、時代は移り変わりipadやSurfaceといったタブレット端末により手書きの画像データの閲覧、紐付け需要やスマートフォンのカメラ性能が上がることでの動画コンテンツとの紐付けが求められていきました。

サービスが長くなればなるほどユーザを保持しつつ、ユニークな強みをもったフォロワーとの対応が求められ、結果、大量のデータをインストールシステム内で保持し続けるEvernoteの仕組みは、やがてレスポンスの遅延を呼び、多くのユーザの離反を呼びました。(私も第一次レスポンス遅延の離反期にNotionに移行したクチです)

その後Evernoteの機能改善等はされたと聞いていますが、機能改善のための多額のコストをユーザに転嫁し続けた結果、サブスクリプションの費用が劇的に増大しし、つい最近ではノート数の制限という締め上げまで実施したと聞いています。

十分なレスポンスやセキュリティ面を持つフォロワーサービスへの流出は、より良い機能と円安の最中でもリーズナブルな価格帯でプレミアムな体験を提供される中では、もはや避け得ない状況となったでしょう。

かつての王者の衰退をここまで述べましたが、さりとて個人的に、Evernoteのシステムコンセプト、「第二の脳」という発想は、実によいコンセプトだと感じています
特に様々なノートを分類、リンクさせていくシステムは、脳のシナプスをより強固にしていく仕組みに類するところです。

加えて、Evernoteが優れていた点に、ノートブック単位で日付でのデータ管理というのがあります

アナログでのノート術としてEvernoteとほぼ時を同じくして世の中に普及していたのが、奥野氏の「情報は一冊のノートにまとめなさい」だったと記憶しています。

このノート術はとてもシンプルで、この後のノート術に共通して「日付」というユニークタグで、1冊のノートという単位でデータ管理を根付かせたノート術、と個人的に感じています。(例 バレットジャーナルや0秒思考も、結局は日付がデータのユニークキーになって、かつ1冊のノートの単位で更新していく仕組みになっています)

様々なノート術やタスク管理手法を学んでアナログツール、デジタルツールの使いこなしについて情報を蒐集しているのですが、結局この日付データ管理が最も強固なユニーク管理であり、ユニーク管理ができて初めて、タグでの分類分などの副次的な分類が可能なのだ、と感じています。

即ち「何月何日何曜日に、何をして何を考え、何を思いついたのか」がわかれば、その時のノートブックにアクセスし放題で管理も容易ということです。

デジタルのEvernoteが日付でのデータ管理にタグを付与してデータの管理を簡素化させていたのと、アナログでの日付データ管理が合致することで「確か先週辺りに考えたあのアイディアメモってなんだったか」というごく自然な(かつ年を取るほどぱっと出てこなくなる)情報へのアクセスフローが、アナログデジタルで上手く融合していくという仕組みが出来上がっていました。(それを見越して、以下のようなデジタル管理を促進するようなアナログツールもでていましたので、独りよがりではないと思っています)

以下のブログでも、やはり奥野氏の影響が見られます。

Evernoteフォロワーの立ち位置についての個人的見解

本題の前に、もう少し昔話にお付き合いください。
Evernoteのフォロワーとして多くのユーザに支持されたのは、Notionというサービスです。


24/5/1 追記
Notionはデータベースの民主化をコンセプトにしているので、Evernoteなどとは役割が異なる、というご意見を賜りました。
仰るとおりだと思います。
同時に、アナログのノート術が先述の奥野氏のメソッドであることにより、データベースを前提とした情報集積のために、インプット側を調節しなければならない、というのが如何してもストレスとして残ってしまうことをここでは記したいと考えます。
これは「誰かと何かをするための制約」としてはむしろ良い制約なのですが、独りだけでしか使わない、個人的なナレッジ管理では必要ないと感じています。


動画や画像をリンクの形式でのノートに埋め込み、Webでの軽快な動作と共に「スラッシュコマンド」や「テーブルビュー」によるリレーショナルなデータ集積を簡易に実行できるサービスとして人気となり、様々なアップデートと、Notionエバンジェリストのyoutubeでの活躍も相まって、今やEvernoteのフォロワーとしては筆頭候補と思われます。
GoogleKeepやappleのメモも最近ではかなりのアップデートを経て猛追している、という印象です。
あとはデジタルノート、という観点ではOnenote、ipad系ノートアプリでは知らぬ人のいないGoodnotesが続く形でしょうか。

私も先述の通り、Evernoteからの移行先はNotionをベースにしていました。
一部分において軽快なNotionというシステムはEvernoteの互換になり得ました。

ただ、Notionには、個人的に看過しがたい致命的な欠点が3点ありました。
それは、
①デジタルノートとして入力し始めるのにスラッシュコマンドが邪魔
②複数端末で開くとログインをめちゃくちゃ聞かれる
③十分なネットワーク環境がないと重い
の3点です。

①については、やり方による、というエバンジェリストの皆様のお声もあるかも知れません。ただPCでデジタルノートを行う場合、キーボードでの入力がメインとなるのに、スラッシュコマンドを毎回毎回聞いてくるのは正直ってかなりストレスです。
Vscodeのコマンド群はctrl + P で呼び出すというワンクッションがありますが、Notionは文章の接頭で必ず文章パーツを組み上げる要求をしていきます。
結果として、きれいに整ったデータをよりきれいに見せる、のは得意でも、雑多なデータを入れ込む、と言う用途には使いにくい印象を得ています。
厳密な検証ができていないのであくまで推測となりますが、Notionの発想はデジタルメモ、デジタルノートから一つ先、適切なデジタルパーソナルデータベースの方がしっくりとくるのではないか、という挙動をしているように感じ、どうしても私には乗り切れませんでした。

②については様々なデバイスを使う自分の所為でしかないのですが、
個人のiphone
個人のipad
個人のandroid(ツイステッドワンダーランド、崩壊スターレイル、雀魂用)
社用のiphone
個人のSurface Laptop go 2
個人のLenovo LEGION
社用のPC
と端末が複数にわたると、体感 週一でログインを要求してくるのが、大変にストレスです

③については、Evernoteの欠点を解消した分致し方ないのかも知れませんが、十分なネットワーク環境を挙動に要求してきます。
常に更新情報を同期している為なのか、か細いネットワーク環境だと描画がかたまり、データが表示できません。
今時はテザリングも容易とはいえ、新幹線移動等の時に情報を確認しておくという用途にも、やや使いにくいです。

こうした不満を抱きつつも、独自AIの搭載などでより便利になっていくNotionを使いこなしていく道を模索しなければ、と思っていた矢先、出逢ったのです。

Obsidainに。

Obsidianは、なにがいいのか

ようやく本題です。読み飛ばすというのはこういうときに役に立ちます。
そもそもタイトルにあるObsidainとは何かというと、こちらもいわゆるEvernoteのフォロワーのデジタルノートサービスです。

Evernote、Notionと最も異なるのは、Obsidianのデータ実体はMarkdownファイルといういわゆるテキストファイルであり、仮にObsidainが無くても、Vscodeなどのテキストエディタで継続して運用が可能
ということにあります。
これは、冒頭に触れた日本法人の解散があり、サービスが仮に危ぶまれたとしても、継続して使用することができる何よりも強い安心感が得られるということでもあります。

こうした特徴をもちながら、Obsidainが持つ優位性をあげると、以下の様になります。

Notionとの比較部分
ただのテキストエディタがベースなので、スラッシュコマンドをいちいち聞いてこないし、聞いてくるように設定する事もできる。
あくまでテキストエディタを開いているだけなのでログインは無い。

Evernote、Notionとの比較部分
ローカルで軽快に動作する。
DailyNoteという概念が導入しやすく、日付データ管理がしやすい

独自性のある利点(一部他サービスの導入あり)
CSSをファイル単位で適用することができるので、見た目変更の知識がそのままWeb系のプログラミングに応用できる
VsCodeと同じくプラグインが充実しており、様々な拡張性を自分で選択、設定して導入できる。
Markdownファイルのため、Vscodeでの作業ワークフローにシームレスに移行できる。
Markdownファイルのため、仮にObsidainが使えなくなってもVsCode他テキストエディタで運用ができる
Markdownファイルのため、Mermaid記法などMarkdownで表現できることは原則使用できる。
日付管理データを取り扱いながら、ツエッテルカステンの発想に親和性があるため、タグだけでなくリンクでデータ間のシナプスをより強固に構築できる。

テンプレートでさまざまな情報を雑多に整理することも、綺麗に整理することも容易。

利点をあげればキリがないのですが、特にこの中でも
Markdownファイルのため、Vscodeでの作業ワークフローにシームレスに移行できる。
はEvernoteにも、Notionにもない、特異な特徴と言えます。

次回は具体的にどのように作業ワークフローに組み込むのかのお話。

PS Obsidainの導入に大きく背中を押してくださった記事。これがあったので移行した、といっても過言では無いです


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