見出し画像

開館20周年記念 菅木志雄展 〈もの〉の存在と〈場〉の永遠 岩手県立美術館

日本現代美術史において「もの派」の作家として知られる菅木志雄の大規模な展示が、ゆかりある岩手県の立美術館で開催されている。会期は2022年2月20日(日)まで。

 現代美術家、菅木志雄(1944年岩手県生まれ、静岡県在住)は、60年代末から70年代の日本に起きた美術動向「もの派」の作家として知られています。もの派の活動が終息した後も様々な手法による作品を発表し続け、今日まで日本の現代美術をリードしてきた菅の活動は、近年海外でも高く評価されています。
 菅の作品は、並べる、曲げるといったシンプルな行為を加えながら、石や木、金属等の日常的な素材を空間に置いたり組み合わせたりすることによって、素材同士や置かれた場所、さらには人との関係性を考えさせるものです。既成概念を取り払い、独自の哲学の元、「もの」と「場」の本質を掘り下げることで、従来の美術の在り方を根本から問い直しました。そして、この制作姿勢はもの派の頃より現在まで変わることなく続いています。
 本展では、過去に岩手で発表された作品や今回のための最新作も交え、インスタレーション、レリーフ、ドローイング、写真、アクティヴェイション(またはイヴェント。作家によるパフォーマンス)の記録映像など多岐に及ぶ約120点の作品を、10年毎の時代に区分し通覧しながら、菅の半世紀以上にわたる制作活動を振り返ります。
 当館の開館20周年を記念する本展は、展示室内だけでなく、グランド・ギャラリー、屋外展示スペース等、全館で展開されます。いつもの美術館の空間が菅作品の「場」となり、新たな風景を見せてくれることでしょう。

公式WEBサイトより


展示風景
展示会場入口

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


1960s-70s

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景
岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


1980s

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景
岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


1990s

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景
岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


2000s

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景
岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


2010s

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景
岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


2020s

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


展示室外

岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景
岩手県立美術館 菅木志雄展 展示風景


1960年代から2020年現在まで時代順のセクション構成となっており、各作品には解説やキャプションがつけられていませんが、ところどころ引用される菅木志雄の言葉などを頼りに作品やインスタレーションと直接向き合うような鑑賞ができます(ハンドアウトには作品情報が掲載されています)。
また菅木志雄とゆかりのある盛岡市内の「ギャラリー彩園子」における展示資料や作家のインタビューもあり、展示の最後にまとめられています。



会期
2021年12月18日(土)ー2022年2月20日(日)
会場
岩手県立美術館
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
開館時間
9:30ー18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(1月10日は開館)、12月29日-1月2日、1月11日

https://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/20211218.html


アーティスト対談1(終了)
講師:菅木志雄氏[現代美術家]× 建畠晢氏[多摩美術大学学長]
日時:2022年1月15日(土)14:00-15:30
場所:ホール
定員:100名(先着順)

アート・シネマ上映会(終了)
「存在と殺人」(1998-99年/86分)
作家の脚本、監督による映画。
日時:2021年12月19日(日)14:00-15:26
「集散‐囲束」(1998年/30分)
広島で行われたイヴェントを映像化。
日時:2022年1月16日(日)14:00-14:30、15:30-16:00

レストラン「パティオ」(館内)
展覧会会期中、特別メニューがあります。




同時開催
コレクション展
第4期 特集:北斗会の頃
日時:
2022年1月29日(土)ー4月24日(日)
場所:
常設展示室

前期:1月29日(土)ー3月13日(日)
後期:3月15日(火)ー4月24日(日)

https://www.ima.or.jp/exhibition/collection/2021_4th.html




レビューとレポート第33号(2022年2月)