写真の中のシュレディンガー
別にしょんぼりしているわけではなかったけど、夕闇のベンチで一人ぼんやりしていると、知り合いの女の子が話しかけてきた。どうしたの?元気、ないね。なんかあったの?などと言うので、私もついついその気になって、いやぁ、人生ってのは、なかなかね、などと適当な事を言う。そうやって項垂れて深い悲しみを背負った趣を全開にしていると、すとんと太陽が海に沈んで本当に悲しい気持ちになってしまった。
暗闇に溶けてゆっくり形を失っていく指先を見つめながら、君さ、死にたいって思った事ある?って聞いたら