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お祭り旅

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行ってきたお祭りの紹介です。月に1回以上は全国どこかのお祭りを見に行ってます。 お祭りが好きな方はぜひ読んでください。
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神輿も人も泥まみれになる平方のどろいんきょ

埼玉県上尾市で7月に開催されている「平方(ひらかた)のどろいんきょ」に行ってきました。2023年も行ったのですが、泥と水が飛び交い参加者も見物客も泥まみれになる珍しさと、地元の方が温かく親切にしてくださったことから、去年のどろいんきょが終わった瞬間から2024年も訪れようと決めていたお祭りです。 昨年の写真も交えながら紹介します。 江戸時代の宿場町「平方宿」どろいんきょが行われる平方は荒川に接する地域で、江戸時代には船渡で渡河していました。江戸時代初頭から平方河岸が整備さ

海の安全と大漁を願い海水をかけ合う潮かけ祭り

三重県志摩市で7月に開催される潮かけ祭り(大島祭)に行ってきました。 毎年、旧暦の6月1日に開催されており、なんと800年の歴史を誇るお祭りです。 八雲神社潮かけ祭りは、海の安全を守る女神・市岐島姫命(いちきしまひめ)が和具の八雲神社から和具沖ある大島の祠へ里帰りすることを祝い、海女や漁師たちが海の安全と大漁を祈願するお祭りです。他の大島と区別するために和具大島と称されます。 ご神体が乗せられた船はまんど船と呼ばれ、地元の漁船も同航し漁業関係者が大島へ向かいます。大島では

富士山を望む街・吉原で開催される東海一の祇園祭

静岡県の吉原で開催された祇園祭に行ってきました。祇園祭と聞くと夏のイメージですが、吉原祇園祭は6月の第二土日と一足先に開催されます。 天神社・木之元神社・八坂神社・八幡宮・山神社・和田八幡宮の六社合同で開催するお祭りで、地元では「おてんのさん(天王祭)」と呼ばれ親しまれています。 前日からお祭りの雰囲気が漂う公式に発表されてるものではないですが、前日の金曜は試験曳きや前夜祭が行われています。 前日に試験曳きを行っているお祭りはよくあるのですが、本番のような派手さはないものの

イカと猫の港町・呼子の大綱引き

佐賀県の呼子大綱引きに行ってきました。6月の第一土日に開催されています。 イカで有名な呼子呼子と言えばやはりイカでしょう。呼子の街を歩いていると、至る所でイカが干されています。 午前中は朝市が開かれていて、イカや採れたての新鮮な魚介類が販売されています。干物や塩辛などの加工品や、その場で食べられる焼き物や揚げ物もあります。 みりん干しが魅力的だったのですが、旅行先で焼くことができないのでしぶしぶ断念し、絶対に食べようと思っていたイカの串焼きを食べました。 あと、イカシ

急斜面の岩場を400キロの神輿が滑り降りる伊庭の坂下し祭り

滋賀県の東近江市で開催された伊庭の坂下し祭りに行ってきました。5月4日に繖峰三(さんぽうさん)神社で行われていて、800年以上の歴史があるお祭りです。 険しい参道繖峰三神社は繖山(きぬがさやま)にあるのですが、神社の鳥居に着いた時に真っ先に思ったことが「どこから登るの…?」でした。 近くにいた地元の方に繖峰三神社へのルートを尋ねると、この道(?)を登るしかないと言われました。まだ人がおらず、本当にこの先でお祭りが行われるのか不安になったので、一旦周辺を散策することにしまし

鍋を被った少女が琵琶湖畔を練り歩く鍋冠祭り

5月3日に滋賀県の米原の筑摩神社で開催された鍋冠祭りに行ってきました。 筑摩神社の筑摩祭は「伊勢物語」に詠まれていて、平安貴族にも広く知られていたお祭りです。現在では鍋冠祭りと呼ばれています。 午後に各宿から御旅所に参加者が集合します。 こちらが筑摩の御旅所。続々と集まってきます。 14時ぐらいから鉾持を先頭に渡御が始まります。 緑の狩衣を着て、黒い鍋を被っているのが鍋冠乙女です。鍋は一閑張と呼ばれる張子で作られています。手には扇子を持っていて、その姿はとても可愛らし

清流と踊りで有名な城下町・郡上八幡春祭り

岐阜県の郡上八幡で4月に開催されている郡上八幡春祭りへ行ってきました。 郡上八幡といえば、天空の城として知られる郡上八幡城や、江戸時代から400年以上続いている郡上踊りが有名です。郡上踊りは2022年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。 また、長良川の上流に位置しており、市街地の中央には長良川最大の支流である吉田川が流れています。吉田川は川底が見えるぐらい透き通っていました。夏は鮎釣りができるそうです。 郡上八幡春祭り昔から残る伝統や自然を大切にしている郡上八幡で毎年4

泥を塗られるほどモテる証?高知のどろんこ祭り

高知の長浜地区で行われている神田祭り、通称「どろんこ祭り」に行ってきました。5年ぶりの通常開催だそうです。 どろんこ祭りは450年余りの歴史がある伝統的な豊作祈願のお祭りです。 高知の長浜地区にある若宮八幡宮で毎年、4月の第一土曜から3日間行われています。 起源土佐藩の二代目藩主・山内忠義がお忍びで長浜に来ていた時に、ちょうど春の田植えシーズンで、長浜のあぜ道を歩く忠義公の袴を百姓が誤って泥で汚してしまったそうです。 普通なら無礼として打首でしたが、忠義公はむしろ農業を励む

食べ物で作られたダシを担ぐ近江八幡の左義長祭り

滋賀の近江八幡で開催された左義長祭りに行ってきました。 「左義長」は1月15日ごろに行われる、正月の松飾りや注連縄(しめなわ)を集めて焼く火祭りです。 全国的に行われていて、地域によっては「どんど焼き」「とんど焼き」「道祖神祭(どうそじんさい)」「鬼火たき」などの呼び方があります。 松飾を燃やす以外にも、餅やみかん、団子を焼いて食べるところや、書き初めを燃やすなど、やる内容も地域によって異なるそうです。 こちらは愛知の師崎(もろざき)左義長祭り 近江八幡の左義長祭り近江八

山形県上山市の奇習「加勢鳥(かせどり)」を見に行きました

2024年2月11日に山形県上山市で開催された「加勢鳥(かせどり)」を見に行きました。 上山市は「かみのやま温泉」や「蔵王猿倉スキー場」など観光やレジャーで有名な場所です。加勢鳥は毎年2月11日に行われてますが、今年は開催日がちょうど建国記念日の振替休日で連休になっており、観光で上山に来ている方も多かったようです。 加勢鳥について加勢鳥は江戸時代前期から伝わる上山の民俗行事です。「ケンダイ」という藁蓑をかぶり「加勢鳥(かせどり)」に扮した若者たちが、市内を1日かけて練り歩き