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食べる事は大変です③

 前回、飲み込むこと、すなわち嚥下の話をしました

 今回からは、めでたく食道に入った後、どうやって体の栄養になるかです。

 まず、食べ物の通り道、すなわち消化器系の構造と機能です。

 食べ物の通り道は消化管と言われているように、口から肛門まで一本の管になっています。

 口から物が入ったら、前回話した、嚥下で食道に送られます
 食道は呼吸器系である2個の肺の間に有って、飲み込んだものは、その食道を通って胃まで行きます。
 胃と食道は、お腹の中(腹腔)で繋がっていて、その繋ぎ目は噴門部と言われてます。そこの括約筋がキュッと閉まることによって、胃内の内容物が食道に戻って吐いてしまうのを防ぎます。
 加齢とかで、このキュってする力が弱くなると、吐きやすくなるのは勿論、空腹でも、横になっていると胃酸とかが食道に戻ってきて、食道に炎症を起こしてしまいます。胸焼けや胸痛を感じる「逆流性食道炎」の状態です。

 次に、胃は袋みたいになっていて、食道から降りてきた食べ物を一旦貯めておきます。その名の通り胃袋です。
 胃に入ってきた食べ物は、胃の中で止まっている間に、かの有名な胃酸によって殺菌されたり、胃酸に含まれるペプシンによってタンパク質が分解され始めたりします。
 ちなみに、胃酸の主成分は塩酸で、危ない液体です。しかし、普段は、胃の中では、胃酸と同時に作られた粘液が壁に張り付いて胃の壁(そのまま胃壁)を守ります。
 この粘液がストレスとかで分泌が少なくなると、胃壁が胃酸によって障害を受けて、胃炎や胃潰瘍になります。

 胃の中に一旦貯められた食べ物は、順々に胃の出口の幽門を通って、十二指腸に進みます。
 幽門部も括約筋があって、開いたり閉じたりして、胃から十二指腸に流れる食物の量を調整します。
 病気などで胃を切ってしまうと、この調節機構がなくなり、食べ物がいきなり腸に入ってしまい、お腹が痛くなったりします。

 取り敢えず、胃まで、

 次回、十二指腸からです。

 消化管のもう少し細かい話です。
消化器とは? | 胃腸.jp (ichou.jp)

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