「めんどくさい」がチームを、世界を変える - freee QA のメモ
僕は異常なめんどくさがりやです。(「面倒くさい」と漢字で書くのもめんどくさい)
家には引き出しがほとんどありません。引く・押すという動きがめんどくさいのです。
下のスクショは僕が発明した「投げ入れるシステムのクローゼット」です。(人が来たときは閉めます)
畳むとかアイロンなんかもってのほかです。靴下は同じものを20足買ってマッチングの手間を省いています。
僕ほどではなくても、人間「めんどくさい」と思うことは必ずあり、それは時代とともに変わっていきます。
先日母に頼まれガラケーを触る機会がありました。びっくりしました。文字入力が異常にめんどくさい。十数年前にあれほど便利だと思っていた機能なのに、もう叫びたくなるほどめんどくさいのです。
最近の例を上げると「通勤」です。当たり前に毎朝出勤してたのにリモート勤務を経験した途端にめんどくさく感じている人も多いでしょう。
「めんどくさい」とは「もっといいやり方があることが(体感的に)分かっている」「費用(労力)対効果が小さいと感じてる」ときに出る言葉だと思います。これは論理的に説明出来ない時も含みます。
なので、僕はこの「めんどくさい」はただのズボラの声ではなく人類の進化に不可欠な要素だと思っています。
相手の言う「めんどくさい」は正当な理由と考える
急に仕事っぽい話になります。
どんなに壮大なビジョンや便利な仕組みの話をしても、相手に「いいですね。でもなんかめんどくさいな」と思われたら、それを結果として受け止めるようにしています。社内でもお客様とのやりとりでも一緒です。
「相手のリテラシーが低い」とか「自分たちが時代の先を行っている」という言い訳が頭に浮かびます。でも結果を受け入れて、相手の立場にたって改善する姿勢が必要です。
自分でめんどくさいを生み出していないか
無駄な作業を省く大切さは誰でも分かると思うので割愛しますが、ハマりやすい罠は「良かれと思った結果めんどくさい仕組み・モノを作ってしまう」です。
ベタですが、アプリで例えれば「この機能があったほうがいいか?Yes or No」だけで機能を増やしていくと画面がごちゃごちゃしてきて「なんかめんどくさい!」となり、メインの機能すら使われなくなる、アレです。
1 + 1 = 2でも、1 + 1 + 1… とずっと続けていくと、最終的に0になる、アレです。
これは無意識にやりがちなので怖いです。
「めんどくさい」と言いやすい環境を作る
自分のチームの定例MTGでは「Mendo」というセクションを作って(専門用語っぽくてかっこいいかなと)、「どんな小さなことでもいいので上げてください」と伝えています。
ちなみに「まじめに現状を受け入れてしまう人」や「難しい問題を解くのが好きなタイプ」の人も「めんどくさい問題」に気づかない傾向があるようです。
そういうケースでは「本当になんでもいいですよ」「解決案がなくてもぜんぜんOK」「あの作業、めんどくさくないですか?」などとそそのかす(?)ようにしています。
「めんどくさい」の解決策は効率化だけではない
効率化は大事ですが、シンプルにしすぎて逆に伝わらないこともあります。プロダクトで言えば、めっちゃシンプルなアイコン1つで機能を表そうとしても意図が伝わらず、普通に日本語のラベルのほうがなぜかスッキリ感じられる、アレです。
自分は「大学にいる時間をすべて自習に変えればハカセになれる!天才!」と思って大学を辞めました。それで1人で勉強をし始めてすぐ気づきました。「あ、なんかめんどくさい!」と。
机上では無駄な時間に思えても、「授業の時間が決められていること」「課題が決められていること」「周りに人がいることで得られるモチベーション」などの仕組みが「めんどくさい」を軽減していたのです。
今は、こういう経験を活かし、仕事で「あえて成果を話す機会を設けてモチベーションを上げる」「あえて雑談する機会を作る」ことでも「めんどくさい」を改善しようとしています。
めんどくさいを解決して何をする?
「めんどくさいことを無くして、どうしたいのですか?」「生き急いでないですか?昔の人のように生きるほうがいいのでは?」という声もよく聞かれます。もちろんその考えも否定しませんし、ゆっくりするのは大事だと思います。
ただ、否定されるのもおかしいと感じています。それらの声は、インターネットの出始め、スマホの出始めに溢れていたものではないでしょうか。またコロナ以前にリモートミーティングの仕組みに取り組まれていた会社なども、こういう声を聞いていたのかもしれません。
ニュースを見れば世の中にはあらゆる問題が溢れかえっていることが分かります。それらを直接は解決できなくても、超微力でも、間接的に解決の手助けはできると思っています。
世の中の人達のすべての活動はつながっています。子供の頃、僕の母は何かのゴムを何かにはめる内職をしていました(何かはわかりません)。そのゴムは例えば靴のパーツで人々をより歩きやすくするものだったとします。それを履く人が医療関係者だと想像したら分かりやすいでしょう。もちろん他の無数にある職業(犯罪系以外)の人を楽にすることも、世の中の改善につながるはずです。
すべてが繋がっている世の中で、めんどくささを解決し、その仕組や方法を共有することで世界に貢献できると信じています。
そのために僕は「めんどくさい」とはっきり言えるチーム、その声を受け入れるチームを作り、全力で「めんどくさい」を解決するプロダクトを作ることで微力ながら世の中に貢献していきたいと思っています。
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