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オーストラリアで育つ子供達 日本の小学校を初体験

 一時帰国中の話でもう一つNoteにも書いておきたいのがこれ。

 日頃オーストラリア現地の学校に通う子供たち、(一週間の短い期間でしたが)はじめて日本の小学校を体験しました。

 経緯を簡単に説明すると、半年ぐらい前に妻が実家近くの母校にメールで体験入学の希望を連絡。担当の先生と数回メールのやり取りがあった後、すぐ日程が決まりました。

 その後は、前日に妻が担当の先生から簡単な説明を受け、次の日にはもう朝から通学団に混ざり登校していきました(一週間分の給食代をもって)

 もう少し細かなルールや決まり事でも有るのかなと想像したのですが、そういった心配は全くいらず。先生方には本当に快く受け入れていただきました。(この場を借りて改めてありがとうございました)

 そして子供たちの感想も、めちゃくちゃ学校楽しかったーとのこと(良かったよかった)。

 色々なエピソードを聞いた中でも、いくつか印象にのこった話を紹介しますね。(一部は、FB投稿から加筆修正)

音楽クラスのレベルの高さ

 長女なんですが、彼女は音楽が好きでつねひごろオーストラリアの学校で楽器や歌を習のは楽しみ。そしてその日は、合唱をクラス皆んなでやったそうです。その感想は

1、クラスの中で、"やりたくない、好きじゃない"と言って文句をブーブー言いだす子が全くいない。クラスの"全員が先生の指導の下しっかり"と歌っていたのに驚愕

2、(小学4年生ながら)ソプラノなどパートに別れて、綺麗にハモっていた。そのレベルの高さに驚く

 子供の素直な感想ですが、日本とオーストラリアの違いを捉えてるなあと思いました。

 オーストラリアだと ”嫌いなことは嫌だとはっきり言っちゃう”(笑)、まわりの大人もなんなら "好きじゃない事はやらんで良い"となりがちなんですよね。。。

 スポーツ大会、キャンプ、学芸会(みたいなもの)など学校行事に参加しない生徒、けっこういたりする。それが特に変わった事ではないように。

 逆の面を見れば、まわりが子供の素直な反応を尊重し、熱中する事を後押ししてあげる環境とも言えますね。

 あと二つ目については、小学校時代から合唱で鍛え上げた歌唱力は、日本のカラオケ文化につながってそうです。日本の子供達のレベルは、びっくりするほど高かったようです。

学校終了後の外遊び(プレーデート)

 オーストラリアで使われる英語のフレーズ、プレーデート(play date)とは子供達が学校以外で集まって遊ぶ事を言います。

 親同士が連絡を取り合って場所や時間をセッティング。たいてい、どちらかの家で遊ぶ事になるので、親は車での送り迎えが必要です。近所であっても、子供だけでは行かせれないんですよね。オーストラリア流はこんな感じです。

 そしてこのスケジュール調整や、タクシー役がけっこう大変。(あ、これは妻が主にやってくれているので、僕が偉そうには言えません。。。)

 一方で体験入学中の長女は帰宅後に、「GENKYに3時半、友達と集まることになった」と言い出かけていきました。(GENKYというのは、近所にある大型ドラッグストア店)。

 お店にクラスメートで集まり、遊具のある公園まで歩いて行ったそうです。途中で他の友達も駆けつけたりと、沢山遊んで楽しかったようです。

 これぞ当に日本の小学生。日本の治安の良さがなせる、とっても良いところですね。私が子供の頃30年前と、そんなに変わっていません。

 今住んでいる妻実家の周辺には、スーパマーケット、小さな修理工場、床屋、遅くまでやってる保育園などが、人の住む居住区にまばらに点在してます。だから常に大人の目が周りにあり安心感もある。

 これってなかなかオーストラリアでは成立しないです。とても治安の良い地域だとしても、子供だけで行かせる親はほとんどいないでしょう。

日本流 暗記の仕方

 算数の授業でのこと。ちょうどその週は直方体の体積を習ったそうです。

  タテ×ヨコ×高さ=体積というやつです。まずは教科書に載っている公式を覚え、演習問題をといて理解する。むかしやった事を思い出します。

 その日は習った公式を暗記できているか確認チェックを行ったそうですが、そのやり方が娘としては ”かなり面白かった”ようで、

 生徒は黒板に背を向けて立ち、声を合わせて ”タテ×ヨコ×高さ=体積”と暗唱する。正しく言えた生徒から抜けていくのを数回繰り返す。

 最後まで暗唱できなかった数名の生徒(娘ふくむ)は、まわりの子供たちが口元を見て、正しく言えているか確認してもらう。成功すれば終了。

 暗記のための暗唱法ですね。それを聞いて私は、(心の中で)ずいぶん古典的なやり方だね。。。。とちょっと思いました。

 それはともかく、娘はそのやり方がオーストラリアには無く、とても楽しかったようです。目をキラキラさせながら自分が最後まで出来なかった話を聞かせてくれました。小学4年生、まだまだ可愛いですね。

 ちなみに、よく日本含むアジアの国の学校は暗記中心の学び方。それに対して欧米の学校は自分で考えることを重視するといった一般論を聞くことがあります。

 最近の日本の学校の様子はわかりませんが、娘たちの学校を見ている限りでは確かにその傾向はあると思います。

 ただ、直方体の面積の求め方ぐらい初歩的なもの、これは日本、オーストラリアに関わらず、とにかく暗記するものだそうです。

先生やクラスメート達のやさしさ

 そして一週間の体験入学はあっという間に最終日を迎えました。

 前日にクラスみんなで撮った集合写真にはじまり、仲良くなって放課後にも一緒に遊んでくれた友達からの手作りの品。クラスメートみんなからのメッセージも持って帰って来ました。

 メッセージには、”一緒に遊べてすっごく楽しかった”、”○○ちゃんが優しい子でよかったあ”、”来年もぜったい戻ってきてね”、”オーストラリアまで飛行機ながいけど頑張って”などなど優しい言葉がならんでました。

 こうゆうのって、やっぱり日本のすごく良いところですね。

 やさしさや、もてなしの心、小さなプレゼントを贈る気遣い。子供達もそれをとうぜんのように振る舞える。

 娘たちも”オーストラリアとはちょっと違う感じ”を感じ取ったはずです。

最後に

 帰りがけ、担任や教頭先生からも、”来年はもう少し長い期間、いつでも良いので是非戻って来てください”と声をかけてくださいました。

 今のところ娘たちもその気になっています。大成功です!!

 海外で育つ子供達の日本語教育。どうやって勉強を続けるのか? どこを(レベル)目指すのか? 日本に戻る予定があるのか、ないのか。試行錯誤の連続です。

 すごく面白く深いテーマでもあるので、また色々と記事を書いてみたいと思っています。

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