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yamabra disk: Natalie Cressman & Ian Faquini / Guinga

今でも信じがたいのですが、Guingaが僕の家に来て、リヴィングやダイニングで時差ボケのためか気怠そうな状態で、食事や我々にはほとんど興味を示さず、しかしひたすら翌日の公演で使用する越前さんのギターに集中していたのでした。このひとの頭の中は全く音楽しかないのだなと思ったし、初めての日本ツアーでナーバスになっていたのも確かでした。

我が家で越前さんとギターの調整に熱中するギンガオジちゃん。

Guingaの音楽は極めて特異です。想定の範囲を大きく飛び越えた規格外の創造でありながら、奇異に陥らず非類のない美しさで在るのは、演奏をする方であればさらに興味深いものなのだと思います。

さて本作はそのGuingaの曲を、米国の女性シンガー/トロンボーン奏者のNatalie Cressma(ナタリー・クレスマン)と、ブラジル人ギタリスト/シンガーのIan Faquini(イアン・ファキーニ)のデュオが解釈したアルバム。

Guingaに師事していたというギタリストIan Faquiniだけに、その世界を踏襲しつつ、Natalie Cressmaのトロンボーンが、このデュオならではの柔らかで温かい音像を加えています。


Guinga自身もヴォーカル(Tr. 1, 3, 10)とギター(Tr. 8, 12)で参加。摩訶不思議で幻想的で、しかし唯一無二に美しいGuingaの世界を、インティメートなデュオで再構築した傑作アルバムです。これ、ブラジルディスク大賞にいれていいよね?



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