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開雲堂が、閉店します。

はじめに

僕の故郷弘前の老舗和菓子店、「開雲堂」が本年5月いっぱいで閉店とするのこと。

僕は20年くらい前までは和菓子にほとんど興味がなかった。だから故郷のこの名店にも帰省した時に立ち寄ることさえなかったのだ。しかしその後急に和菓子に目覚めて(えらく遅咲きです)、今度は極端だが帰省すれば必ず立ち寄る店になった。

景観重要建造物に指定された建物

開雲堂の創業は1879年。城下町弘前を代表する和菓子屋であり、景観重要建造物に指定されたその趣のある建物も相俟って、地元民のみならず観光客にも大いに人気があった。創業当初からあるという「卍最中」や「有明」、そして「干乃梅」は僕も大好物で、帰省した時には必ず購入していた。だからここが閉店するという知らせはとても残念で、ショックでもある。しかしだからと言って僕にできることがあるわけでもなし、ただ記憶に留めておくためにこの記事を書いている。

以下は開雲堂の商品を一覧にしているものだが、率直に言えば食べたことのないものも多い。だから以下にせめて我が家でよく食べたお菓子を記録しておく。

開雲堂の商品一覧

卍最中

パリッとした皮に手亡豆(てぼうまめ:白いんげん豆の一種)の白餡に茶色い小豆の粒が入っている珍しい餡の最中。これ大好きでした。

包装紙も味があります。
芹沢銈介の絵を用いた箱。
こんな感じで入っています。
最中の皮も実に香ばしく、パリッとしています。
手亡豆(てぼうまめ:白いんげん豆の一種)の白餡に茶色い小豆の粒が。
これは&Premiumに掲載された開雲堂の記事。

干乃梅

これも大好物でした。津軽地方の梅干しに着想を得た作られたもので、紫蘇の香りと餡が絶妙にマッチしているお菓子です。

表面はお砂糖です。

有明

なんと「卍最中」より古くからつくられ続けているそうです。夜が明ける頃の空に白く残る月をイメージの源としているらしい。小豆こし餡に、白い手亡豆の粒を混ぜてある。

箱も美しい。
なるほど月のようです。

松風

食べたことはあまり多くないのですが、これも長年作られているお菓子です。

缶が渋いです。

つともち

弘前といえば桜。このお菓子は桜祭りの期間中だけ製造されるものなので、残念ながらしばらく食べたことはない。

写真がなかったので開雲堂のFBから。すみません中身が見えませんね。

ロシアケーキ

ロシアケーキは昭和初期から発売されているそうで、当初はジャムやホンダン(砂糖と水飴を煮詰めたもの)などが使われていたが、日持ちの観点からホワイトチョコやコーヒーチョコなど3種類のチョコを用いているそうだ。レトロ感な感じも人気。

写真は残っていなかったので開雲堂のHPから拝借。

岩木嶺

くるみとゴマ風味の塩釜を雲平で巻き、岩木山を象ったもの。岩木嶺



さてさて実際に食べたことがあるお菓子を紹介したけれど、これらがもう食べられないと思うとなんとも悲しいではありませんか。お弟子さんで現在他所で店を営んでいる方もいるようなので、どうかこの味を残す方策がないか検討して欲しいなぁ、っていうのはあくまでも素人の勝手な希望です。5月31日までの営業なので、可能であればもう一回ぐらいは通販で購入したいところですが、混んでいて難しいかな。とにかく残念で残念で。


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