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【寄稿】レジ金横領事件【親友①のこぼれ話4】

この話は「【寄稿】4年勤めた会社が乗っ取られて解雇された私の話【親友①の話】」のこぼれ話の第四弾です。

親友①がいいね10件超えたのでと、感謝と使命感にかられて書いてくれました。
いつも親友①の心の糧と励みになっています!


こちらは単独で読めますが、前回のこぼれ話はこちらになります。

大本のお話はこちら!


後何名かの方からご心配頂いていますが、こちらの寄稿してくれている親友①はもうこの会社を辞め、別の会社に転職して元気に働いてます。
ご安心ください!

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【レジ金横領事件】


確か2021年の話。
もしかしたら2022年かもしれない。
とりあえず10月くらいの話だ。



社長が東京に出張に行った。
出張に行けば当然視察を兼ねて店で食事をする。
その時はM店だった。

社長がランチタイムを少し過ぎた頃に店に行くと他にお客さんは4組。

オフィス街にあったその店はコロナの影響を諸に受けており

社長は休業するかどうか考えながら帰ってきたそうだ。


そして月が替わった月初。
レジ金のデータチェックをしていた社長が気が付いた。
M店に視察に行った日の昼食時来客数が2組になっていたのだ。

社長はすぐさまレジと連動しているBシステムを起動した。

レジ記録は最終的な処理しか残らないがBシステムでは履歴が全て残る。
どの操作をどこまでやって最終的にどうした。まで分かるのだ。

確認すると、社長以外の3組でお会計の直前まで処理をした後に、注文の取り消し作業をしていた

本来であれば客からは代金を受け取っているのでレジ金にプラスの誤差が発生する。

だが、誤差の報告は来ていない。

ランチタイムで夜に比べて1人当たりの単価は低いが、それでも3組であれば1万円近い誤差が出ているはずだ。
にも関わらず、誤差の報告が上がっていない。

レジ金抜いているな。

社長はそう思ったらしい。
隣の席から聞こえる大きな溜め息にどうしたのか聞いたところ、

「××店長がレジ金抜いてますね」

そう言われた。



ぶっちゃけた話だが、本社が遠方にあるタイプの飲食店ではレジ金の横領はそう珍しい事ではない。

社員だったり、アルバイトだったり様々だが、総じて一店舗あたりの店員数が少ない店だ。

人数が少ないとどうしても1人で店を回す時間帯がありその時に不正が可能なのだ。
その例にもれずM店も1人営業の時間が多い店舗だった。



社長が東京の店舗担当部長に連絡し、部長が店長に確認したところ素直に認めたようだ。
横領が確定した段階で店長は会社からの連絡は対応するように指示して自宅待機。

店は調査のため休業。

部長がその時点でのレジ金を確認すれば当然のように合わない。
さらに店内で保管されている釣銭準備金と小口現金を確認すれば、これも毎日報告されている金額と合わない。

そもそも社長が来店した日にも抜いていることから完全に常習化していたのだ。

社長が客数を見ているのだからバレる可能性が高いのにその判断がつかない。
理性がないのか罪悪感がないのかは判断つかないが病気のようなものである。



そしていつからやっていたのかという話だ。
社長が気が付いた日から遡ると約2年前から抜いている形跡があった。

総額約800万。

始めのころは金額が少なかった。

バレなかったことで段々エスカレートして金額が多くなっている。

酷い時は1日に5万近く抜いていた。
1日の売り上げほぼ全額である。
緊急事態宣言中で売り上げが伸びなくても不自然でない時期だった。


1日に1万ぬいていたとしても22日出勤すれば22万。
単純に新卒者の月給に近い金額を毎月抜いている。

××店長の給料は固定残業代・固定深夜手当を含めて約35万。
保険料諸々引いても横領した分と合わせて毎月50万になる。

店長を呼び出して話を聞こうとしたが電話に出ない。
自宅に行ってみたが、自宅にもいない。
何日か様子をみたが帰宅している様子もない。

自宅待機期間中にまさかの失踪である。



本人と連絡がつかなくなったので、連帯保証人 兼 緊急連絡先の父親に連絡する。

父親は当然横領の話なんか寝耳に水なので大慌てだ。

部長と待ち合わせて本人宅に入ったところ結構なゴミ屋敷だったらしい。

父親の許可を得て、落ちていたカードの明細を回収した。
本社で確認したところ毎月結構な額を使っている。

いったい何に……?と思ってみると1つ飛びぬけて高い金額がある。

ネズミの国のホテルだ。
宿泊日は1月1日。
金額は80万。

目が飛び出るかと思った。

1泊40万2名。
彼女と泊まったらしい。



自分の月給より高いホテルに泊まるな!!!!


いや別に給料以上の所に泊まるのが悪い訳ではない。
お金をきちんと貯めて泊まる人もいるだろう。
だが彼の場合、どう考えても身の丈にあっていない。


部長が横領の確認をした時に、

「コロナで残業代が減って生活が苦しかった」

そう語ったらしい。

だが休業期間中も固定残業代と固定深夜手当は支払われていた。
減ったのは労働時間が固定で設定された時間を上回った時に支払われていた分でだいたい3万円程だ。

そもそも固定分をオーバーしなければ0円の月もある。

にも関わらず生活が苦しいのであればそれはコロナ関係なく本人の金遣いが荒いせいだ。

800万は一般従業員二人分の年収になる。アルバイトなら全員の給料1ヶ月分。

それだけの金額を横領して1泊40万ネズミの国のホテルに泊まった挙句、生活が苦しいと言われた日には……。
真っ当に働いている他の社員に腹を切って詫びて欲しい。



ちなみにで行方不明だった××店長だが彼女のところに転がりこんでいたらしい。
が、横領のことがバレて振られ、追い出されたので自宅に戻ったそうだ。

常識のある元彼女で大変喜ばしいことである。

そして本人が戻ったことでいよいよ返済と処分の話がスタートする。
当然本人だけでえは返済できないので連帯保証人の父親も同席することになる。

こちらの計算では800万だったが、話し合いの結果600万の返済で手を打ったそうだ。
11月中に100万、12月に100万、1月の残りの400万。

父親が早期退職をして退職金で支払うとのことだった。

老後の資金だっただろうに気の毒に……。と思っていたが、よくよく考えれば息子をそういうことをする人間に育ててしまったのも親なので、あまり気の毒ではないかもしれない。


本人は当然懲戒解雇だ。


ちゃんと働基準監督署に手続きをして解雇予告手当を払わなくてもいいようにした。

通常、即日解雇は30日分の解雇予告手当を支払わなくはならないが、懲戒解雇の場合、所定の手続きをとれば支払いが免除される。

労働者寄りの日本の法律でも流石にそこは考慮されているのだ。

しかも履歴書の賞罰欄に【懲戒解雇】である旨を記載しなくてはならないので再就職はイバラの道である。

当時30歳手前だったので今後の人生苦労することだろう。
せいぜい頑張って欲しいものだ。



とまぁそんなこんなで特に面白みもないよくある横領事件であった。

あと人生で役に立たない豆知識?としてだが、常にお金を触る経理が横領事件を起こすことは比較的少ない。
経理の人間にとってお金はお金でないらしい。

というかお金と思っていると仕事ができないとのこと(経理部長談)

代わりに何かの拍子でタガが外れた経理が横領すると金額が半端ないことになるそうだ。

なお、私は不労所得で生活したいと思っている人間なのでよければ本編も買ってください。
(ダイレクトマーケティング)

よろしくお願いいたします。


※こちらが親友①の寄稿文です!(聖龍。)





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