コンサルの仕事#1 コンサルに求められる能力(1/3)

コンサルの仕事#1ということで、このシリーズでは経営コンサルの仕事を紹介していきます。
コンサルティングファームに入社してまずどんな仕事をするのか。何が求められるのか。
アナリストやコンサルタントの目線から話していきますので、外資コンサルに入りたい人やこれから入社する人は必見です!


コンサルになったら最初にすることは何か。

意外と皆さん知らないのではないでしょうか。コンサルって響きはそれっぽいけど何をやっているかよくわからない、どこか胡散臭い…。

そんな風に感じている人に向けて、
コンサルになったら何を求められるのか、具体的にどんな仕事をするのか、そして何がすごいのか。順番に説明します。
今回はまず、何を求められるのかをお話しします。


コンサルタントに求められること

コンサルティングファームに入社し、コンサルとして活躍していくためには、どんな能力が求められるでしょうか。
英語力、学歴…特によく聞くのは論理的思考力。

最も本質的なのは最後の論理的思考力ですが、正直この答えも曖昧で、何が必要なのかいまいちよくわからないかと思います。

まず、コンサルティングファームに入社して約3年ほどは、ほとんどの人がアナリストまたはコンサルタントとして働くことになります。
(中途入社でも事業会社で管理職経験などがあるベテランの方以外は、最初はコンサルタント以下でスタートします)
これらの役職において特に求められる能力をできるだけ具体的に述べると、以下の通りです。

①タスクの処理能力(正確性とスピード)
②知識のキャッチアップ力
③自律性・自己管理能力

コンサルについて紹介している書籍やサイトはたくさんありますが、この3つが書かれているものはおそらくほとんどないのではないでしょうか。

論理的思考力やコミュ力、主体性などという言葉で説明することもできますが、こういうありきたりで曖昧な言葉は好きではないので笑
できるだけ具体的な3つの言葉にまとめました。

(書いていたら思ったより長くなってしまったので、今回は①タスクの処理能力についてのみ紹介します。②③はこのシリーズの次の回でまとめます!)

①タスクの処理能力(正確性とスピード)

この能力は、コンサルタントにおいて最も基礎的で、最も必須とされる能力です。タスク処理というと事務能力に近いですし、普通っぽいと思う方もいるかと思いますが、実はとても重要です。

具体例を挙げましょう。
たとえば、中小企業や大手メーカーに勤めている方で、「Excelでこのデータを整理してくれる?」「これについてプレゼンして欲しいから、パワポを作ってくれる?」こんな依頼を受けることがあるのではないでしょうか。
こんな依頼を受けた時、まず納期感として、多くの会社だと数日とか、早くてもその日のうちにやらなければいけないことが多いのではないでしょうか。

コンサルはまず、この納期感が確実に違います。大体の平均でいうと、コンサルであればスライド10枚の討議資料や説明資料であれば、1,2時間で作ります。また、投資対効果をまとめたり、クライアントの財務状況をまとめる場合、ピボットや簡易グラフを含めた5シートほどのExcelを1,2時間で作ります。

しかしこれは、単にコンサルの方が全ての仕事が早い、ということではありません。フォーカスしていることの違いだと思います。
そもそも事業会社(メーカーや金融など)の方々は本業があり、その片手間で資料作りやデータ整理を行うことが多いでしょう。ですが、コンサルはクライアントに依頼を受けて、経営変革の施策を整理したり、データ分析や効果測定を行うのが本業ですので、パワポやExcel作りが本業の大半を占めます。(これはアナリストやコンサルタントに限った話ですが)
そのため、このような資料作りやデータ分析の効率化を徹底的に行います。

具体的には、大手コンサルだと社内にアセット(参考資料やトレーニング)が存在するため、それらを活用します。
業務時間内にはOJTでタスク処理や仕事のスピード感を経験しながら覚え、業務時間外にアセットを読んで、資料作りやデータ処理の基礎的スキルは自分で身につけます(業務時間外って違法労働では・・・?と思うかもしれませんが、これはクライアントのための仕事ではなく、自分のために汎用的なスキルを身に付ける、自己投資のため業務時間外で行っています)。
これを入社から1ヶ月ほどで行い、作業スピードを格段に上げることが求められます。
以上が作業スピードの話です。

スピードだけだと、「それくらいのスピードでできる、コンサルも大したことない」と想う人もいるかもしれません。
しかし、大手メーカーとコンサルの両方を経験したからこそわかるもう一つの決定的な違いが、正確性です。

例えば多くの人が資料を作る場合、パワポはできるだけ1スライド1メッセージにするとか、Excelでピボットや一通りの関数は使いこなす、といったことは実践されているでしょう。これらは基本として当然求められます。

コンサルはこれに加え、パワポのメッセージラインの文章の論理構造、図表の正しい選択やMECEを満たした情報整理、レイアウトや色彩のデザイン性(見やすさ)が求められます。
(MECEはもれなく、ダブりなくというコンサルの基本的な考え方の一つです。また別記事で詳しく説明します)

これらのレベル感は実際に資料をお見せしないと説明が難しいです。
ただ、正確性の高さと言う点では、事例が示せます。
例えばパワポだと、箱や図を使って情報整理した場合、全ての箱の位置や大きさが完璧に揃っていることや、線に傾きがないこと、文字サイズにばらつきがないことが必ず求められます。また、誤字はもちろん、メッセージラインの位置やスライドの体裁についても全スライドで揃っていることが求められます。
そんなことしょーもない・・・と思うかもしれませんが、これがとても重要なのです。

なぜなら、コンサルにとって説明資料や提案書はクライアントにお見せする最も重要な成果物だからです。クライアントに見せるものは、完璧に仕上げる。少しでも仕事が雑だな、適当だなと思われてはいけない。コンサルは単価が高く、短期間での成果が求められるためです。事業会社で言うと営業がサービス説明や販売契約にミスがあってはいけないことや、経理が決算数値にミスがあってはいけないように、コンサルは資料作りやデータ処理に絶対にミスがあってはいけません。

したがって、高速でミスなく完璧に資料やデータをまとめ、クライアントに提供することがコンサルの必須要件であり、そのタスク処理能力が求められます。
最低限のレベルでタスクを都度こなすのではなく、最高のレベルでタスクをコンスタントに処理することがコンサルには求められます。

この能力は得手不得手がある程度あるため、人によってはきつく感じるかもしれません。しかし、上述の通り仕事経験やトレーニングなどの自己学習を積むことで、誰でも能力を高めることが可能です。
ただ、仕事をこなしつつ短期間で能力をキャッチアップできないとコンサルでやっていくのは難しいかもしれないですが。。。
この①タスク処理能力が身に付けられれば、少なくとも新卒でコンサルに入社したアナリストレベルの方であれば、正直十分です。
コンサルに就職・転職する方はぜひ参考にしてください。


残りの2つについては次回話します!
コンサルの仕事について質問や疑問がある人はぜひコメントをください!

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