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【本】彼女の家計簿/原田ひ香

以前読んだ、【三千円の使いかた】がよかったので、同じ作者さんの【彼女の家計簿】も読んでみた。

あらすじ(私調べ)

疎遠にしている母親から届いた封筒。
中身は男と駆け落ち心中したと聞かされていた祖母の(物と思われる)家計簿。
メモ欄に書かれた日記を読み進めると、どうも聞いていた祖母の人物像と一致しない。
日記を読み進めるとともに、現代を生きる親子三世代の人生も少しずつ動き始めて・・・というようなお話。

感想

面白かった。深かった。
三千円~は、どちらかというと同じ時間軸でのそれぞれの家族の話だったけど、こちらは過去と現在、という軸で進んでいった。

過去、祖母と思われる加寿さんという女性の身に何が起こったのか。
本当に小さい子供を置いて、男性と逃げてしまったのか。
そもそも加寿さんは、祖母なのか。

気になって気になって、ミステリー小説を読むかのように、どんどん読んでしまった。

加寿さんという方は、現代の女性のような考え方をした女性だった。
生きているうちには加寿さんの思いが娘(主人公の母)に届くことはなかったが、時代が巡って、ふとしたことがきっかけで伝えることができてよかった。

自分の先祖が何を思って生きていたか、等、考えたこともなかったな。
それぞれの思いが、知らないところで今に繋がってたりするんだろうな。

祖父・元婚約者

しかし、このお話にでてくる男性は情けないというかなんというか。(一部を除いて)
母が暗くなってしまい、主人公、または孫にまで影響してしまったのは、祖父の行動のせいではないか、と思ったが、戦争の影響もあるのだろうな、と思う。

もう一人の主人公?の元婚約者は論外だった。語る価値なし。PC教室の講師も。

最後に

たくましく生きる女性のお話にパワーをもらった。
環境や時代もあるけれど、どの時代にも通じるものがあるんだなーと。
最後、希望のある終わり方でよかった。

人からしたら、ただの昔の人が書いた古ぼけた家計簿だけど、そこには思いが詰まっていて、かたや別の人にとっては残り短い人生のよすがにしたいものであり、自分のルーツを明かすものだったりする。
この家計簿のおかげで、何人の人の人生にいい影響を与えたのかな。

三千円の使いかたに続いて、彼女の家計簿も読んでよかったー。
切なくも希望のある話だった。

さ、次はどんな本を読もうかな。

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