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発達障害

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発達障害というテーマをめぐって記述した記事をまとめました。
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2018年2月の記事一覧

「されど愛しきお妻様」を推す理由3

 ところで本書にトキメいてしまうのは、お妻様の存在が大きい。なにしろ変人のお妻様の魅力が半端ない。数々の名言(珍言?)に、ハート鷲づかみ。  いやもちろん、いいことばっかりではなくて大変なこともセットで描かれているのだが。でもその唯一無二の変人っぷりをこそ愛している、著者の眼差しにもぐっときてしまうのだ。だから「お妻様を治療しない理由」を読んだときに思わずうるっともしたし、「そりゃそうだ。」と胸にすとんと落ちた。著者の鈴木大介さんは、お妻様を治療しない理由として「発達障害も

「されど愛しきお妻様」を推す理由2

 前回「結果を出すこと」を求めない場所が社会のあちこちに用意されるような社会であって欲しいと呟いたが、まずもって「教育」がそのような場所であるといいなと書きながら思っていた。あらゆる発達の途上にいる小さい方々・若者たちは、その一時点を「点」で区切ったら「できない」ことがたくさんある。どうしてもその結果で評価されてしまいがちであるが、でもどんな子どもたちもそれぞれのペースで脳がしごとをし、頑張っている。そのこと自体を「頑張ってるね!」と評価できる、そんな場所であって欲しい。

「されど愛しきお妻様」を推す理由1

 あちこちで既に言いまわっているが、鈴木大介さんの「されど愛しきお妻様 『大人の発達障害』の妻と『脳が壊れた』僕の18年間」はとにかくすごい。前作「脳が壊れた」と併せて全人類が読むべきなんじゃないかな、と半ば本気で思っているし口に出して言ってもいる。著者の鈴木大介さんは苦しんでいる当事者やそのご家族に届いて欲しいと願っておられるが、(もちろん私もそれを願いつつ)いわゆる「支援」の現場にいる人々にだって必要だと思うし、別に発達障害や高次脳機能障害に(現時点で)関わりのない人々に