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(191)猫の悲しみと優しさ


なんとか11月の最後になって諸々収まった。今月はトラブルが続いた。ずっと調子の悪かったモモの鼻炎の治療に病院へ行ったところ、猫風邪というのは完治はせず菌はずっと残るので免疫力で抑えていて三種混合ワクチンをしばらく打っていなかったので症状が出てしまったと説明を受けたのが10月の終わり頃、注射とお薬をもらって落ち着いたらワクチンしましょうとなり、11月の初めにワクチンを打ってもらった。ワクチン後3日は元気にしていたのに3日目の夜に私が帰宅すると左手を引きずっていた。翌日モモは丸一日動かず寝ていたが夜にごはんを食べてほっとした翌日、今度は私がコロナの4回目ワクチンの副作用でまさかの初発熱でダウン。熱が下がって実家へ秋田から送った荷物の荷解きをしに行き、休んだ日の振替出勤で連勤となり、モモの足は徐々に治ってきたがジジの様子がおかしい。調子はいいけど機嫌がたいそう悪い。


どうやら足を痛めたモモが遊んでくれないのが不満らしい。歩くのは庇いながら自分のペースでできるが猫同士でやり合うのは危険なのだ。ジジの強烈猫パンチを怪我した手にくらったら堪らないから、相手をせずに近寄っただけで逃げてしまう。それでイラっとしてまた殴る。人間がモモを庇ってジジを叱るのでそれも不満。パンチが日増しに酷くなって憎しみのこもった音がするようになり、ある日モモを抱いて別室に避難させた後、ベッドの上でジジと話し合った。

まず一番に、みんなはジジのことが大好きだということ。とくにモモはほかの猫は嫌いでジジだけが好きな子なのだということ。でもジジが強くなっているから(過去最高太ったのでパンチが重い)怖いこと。ジジは強いのだから怪我をしたモモには優しくしてあげないと怖い、怪我が治ったらモモはまた遊んでくれるだろう。ジジを撫でながら話しているうちに、でももしずっとこのまま仲が悪くなってしまったらどうしようという考えが頭をよぎり涙がポロポロこぼれてきてしまった。ジジ?モモちゃんと仲良くしてね?ふえーんと情けなく泣いていたら、黙って聞いていたジジが鼻でチュとして慰めてくれた。ジジは私が泣くといつも優しい。動物は泣かないのに人間の悲しみにとても敏感に反応する。動物は悲しいとき人間みたいに泣けないから人は動物の悲しみに鈍感なだけで、動物は悲しい時をたくさん経験しているのかもしれない。


この話し合いのあとジジはモモを激しく殴ることをしなくなった。ジジも悲しかったのに叱ってばかりでごめん。そしてこんな騒動のなか、実家に長年預けていた食器棚を運んでもらったのでドタバタと模様替え。寝かせていたスクラップブックの製本をしてみたり、来年の手帳を探したり。明日からいよいよ師走。気合い入れていこ。


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