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おわりとはじまりについて思うこと。(2022年を振り返って)

2022年、年末。今年のおわりに、私は今年1番の涙を流した。

季節も心も、冬から冬に1周した1年。ウェディングプロデューサーとしてではなく、ただ1人の人間としての軌跡を残そうと思う。





【冬】1月 退職

「あなたのつくる結婚式が大好きでした」「なるさんの担当する結婚式が一番大変で、一番楽しかった」「プランナーの鏡であり、この式場の希望だった」「なるちゃんにサプライズしたい、という新郎新婦からの相談が多いプランナーでした」

宝物のような言葉と笑顔を届けてくれる仲間とお客様に見送ってもらった、門出。過去の悩みも困難も葛藤も、穏やかな達成感によって包み込まれ、1章がおわった。ときに雪が降る、寒い冬のこと。


【冬のおわり】2月 引っ越し・CRAZYへ入社

4日間のうちに、ラスト担当、ラスト出勤・退社、引っ越し、入社というビッグイベントを経て、息つく暇もなく新しいステージに立っていた。ドドド…と幕が上がって、目に入るのはガラッと変わった景色。雪を溶かすほどの、温かい表情をした人たち。社内の人間関係の上質さに感動し、涙が流れたことを覚えている。

CRAZYが運営する結婚式場 IWAI OMOTESANDO(職場)


【春のはじまり】3月 自分の在り方との向き合い

ある日、親友と呼べる新婦様から「なるちゃんは人を優先しすぎ。自分のこと大切にしてる?本当のこと言えてる?」と、問われた。
社長からは「みさとは人を先に行かせて、後ろに立つ。周りを気にして、当たり障りのない発言をする」と、先輩からは「ただただ、いい子。フックが見当たらない」と言葉をもらった。

いつからか、本当の自分も、本音も、分からなくなってた。沢山の問いをもらいながらたどり着いたのは、コンプレックス。曝け出してみると返ってきた言葉は、「そんなみさとが好き」「ありのままが魅力だよ」。
涙を流しみんなと抱きあった、温かい陽が差し込む春のはじまり。

【春】4月-5月 激動と停止

ありのままの自分で、とにかくがむしゃらに動いた。動いて、動いて、倒れた。自分が情けなくて、SNSでキラキラ輝く人生を見ては、「私の人生なんて…。輝ける才能のない自分が嫌いだ」と嘆いた。

【春のおわり】6月 過去に負った痛みの昇華と、未来への宣言

次に向き合ったのは、才能のない自分が嫌いな自分、真に人を信じられない自分。「才能」の定義をインプットし、捉え方をアップデートした。人間不信になった過去のショックを言葉にし、紙に書き、燃やした。そして、全社員の前で宣言した。「才能がない人なんていない。私にも才能と内に輝く宝物がある、だからできる。自分から愛すること、信じることをはじめる。本気で泣いて笑って悩んで生きる」と。覚悟を決めて過去の自分を手放し、新しい自分をはじめた、春のおわり。

【夏のはじまり】7月-8月 心に火を燃やす

会社の10周年。多くの尊敬する先人が繋いできたバトンを、今自分が握っている。周りには、大好きで仕方ない仲間がいる。「偉大なシゴトをしたい」 ただそう思った。目の前の仕事に、人に、本気で向き合った。真夏には、業界最大級のコンテストに先輩と共に挑戦。

CRAZY10周年。集合写真

【夏のおわり】9月 頭を叩かれ、自信をなくす

ある言葉たちが、胸に突き刺さった。頭を叩かれた感覚。自分の選んだ行動が、気づかぬ内に人を悲しませていた。自分の思考や自分の中に宿す愛が、信じられなくなった。心の炎がゆっくりと静まっていく。

【秋のはじまり】10月 愛に、愛を信じさせてもらう

信じさせてくれたのは、過去のお客様と仲間からの愛だった。「これだけ愛されてきたじゃないか、愛されるだけのことをやってきたんだよ」と背中を押してもらった。

Instagramに投稿したストーリーズ

【秋のおわり】11月 充満した幸福感

もうただ手放しに、楽しかった繁忙期。みんなでつくる結婚式が改めて楽しくて、仕方がなかった。キャスト(サービススタッフ)から「みさとさんの結婚式が好きです」とようやく再び言葉をもらえたり、担当指名をもらった。上司から「新郎新婦はもちろん、ご家族やゲストとのコミュニケーションも素晴らしい」と初めて私らしいプロデューサーの姿を教えてもらった。そして、担当した新婦様の働く中学校で、講演をすることにも。

【冬のはじまり】12月 葉が落ちる

順調に思えた毎日。そんな中でも1枚1枚、葉は散っていた。必死に風を止めようとしても、敵わなかった冬。大切にしていたものが、手から離れた。

1年がおわる。そしてまた、1年がはじまる。



振り返ってみると、はじまりとおわりは、いつも一緒にいた。おわるとはじまっていたし、はじまったらおわっていた。

今日がはじまり、おわる。と同時にまた新しい1日がはじまり、おわる。そんな連続で1年ははじまり、おわり、同時に新しい1年がはじまる。そしてまたその連続で人生ははじまり、おわる。

春から冬へと移ろうように、芽吹き散っていくように、それはとても自然なこと。そういうものだから、怖がらなくても、寂しさや悲しみに暮れなくても大丈夫。

ただ、あっと言う間におわるかけがえのない今日を、1年を、人生を、笑って泣いておえられるような生き方ができているか。

「やり残したことはない!」そう胸張って笑えるほど、まっとうできたか。
「もう、ほんっとに最高だった!」そう泣けるほど一生懸命だったか。本気だったか。

「YES」と言える今を生きたいと思う。そんな今を繰り返し、おわりとはじまりを何度も何度も乗り越えて人は成長していく。積み重ねた先に迎えるおわりにはきっと、絶景が見える。そう信じて、また2023年をはじめよう。


富士山を眺めて、また前を向いた。「一歩一歩乗り越えた先の絶景が楽しみだな」って。


2022年12月31日



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