シカゴファイア season8 episode6
このシカゴファイアというドラマは近年の作品の中では本当に大好きなものの一つで、日本での放送開始当初から欠かさず見ている。もうシーズン8にまでなった。この間、登場人物の様々な生活や心理も変化したし、火事や事故現場での救助というハラハラドキドキの展開も相変わらず盛りだくさん。逆によくこんなに色々な事件が起こり、これほどの数の火事が起こるものだと思う。余談だがシカゴという街はドラマ通りにこれほど火事が多発する地域なのか?そのほかの消防署ドラマに比べても火事がとても多い。一説にはシカゴにはガスなどの配管が古くなっている建物が多くて火事が頻発するという話を聞いたことがあるが、それは本当なのだろうか???
さて、今回のエピソードではシーズン1話で殉職したオーチスの後任として51分署にやってきたギャロが現場で指示を無視した行動をとったことでケイシー中隊長の怒りを買った。彼には幼少期に火事で自分以外の一家全員を失った辛い過去があって、それが原因での行動だったのだが、その出来事を上司とシェアしていなかったので、知らないケイシーは当然怒る。結局、ギャロは別の同僚からのアドバイスで過去の出来事を話すべきと悟りケイシーの元へ行き、その日の行動を振り返り思いを打ち明けたのだがその時ケイシーがギャロに言った。
"We all have some kind of pain we're living with."(誰もが皆、何かしらの痛みを抱えている)そういえばケイシー自身、序盤のシーズンで婚約者を火事で亡くしたし、セブライドは親友でルームメイトだったシェイを現場事故で失った。そしてこのシーズンの最初にはオーチスの殉職という悲しい出来事があったばかりだ。その痛みを乗り越えるのは容易なことではなくとても時間がかかる。
さらにケイシーはこう言う。"But when you can admit to the pain... own it... that's when it scars over, makes you stronger, becomes the armor you wear into battle."(だけど痛みを受け入れたとき、その時こそ強くなってその痛みは(傷跡は残るけど)治って、戦いの場へ出て行く時のよろいとなるんだ)と。
私にも実はまだ乗り越えられなていない痛みがある。その痛みはscar over(治る)していないと思う。まだカサブタ化していないのでちょっとしたことで傷が開き出血する、みたいな状態になってしまう。乗り越えるには時間ももちろん必要なのだろうが、本当は51分署のように一緒に乗り越えてくれる友人や仲間がそばにいるともっと早く乗り越えられるのだろう。
コロナ禍でそういう友人や仲間と会える時間が限られて一人で痛みを抱えて傷をうまく閉じさせることができずに苦しんでいる人は今たくさんいるんじゃないかと思う。私もその一人だ。私が「本当は会って話して自分が傷ついて痛みを抱えていることを伝えたい、助けて欲しい」と思う時、実は友人も私の知らないことで傷ついて痛みを分かち合いたいと思っているけど、このコロナ禍で躊躇し遠慮している、ということがあるのではないか。
だからこそ今はなかなか気軽に会えない友人たちにメッセージを送って連絡を取ったりして心健やかに過ごせているかどうか、平時以上に思いを寄せて気遣う心を忘れたくないと改めて思わされた。今回のシカゴファイアはそういうエピソードだった。
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