最近読んだ本~母の待つ里~

記事をご覧いただきありがとうございます。

書籍名:母の待つ里
著者:浅田次郎
出版社:新潮社
出版年:2022年1月25日
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里帰りを一番強く望んでいたのは千代なのではないか。ユナイテッド・ホームタウンサービスを通して千代がしたかったこと、またはされたかったことを叶えているように感じました。

そうでなければ本当の子のようにゲストと接することが出来るでしょうか。噓をつけない千代が偽りを犯してまでこの仕事をするでしょうか。

千代は正直で裏表がない性格で、ご近所の人からも慕われているように思えます。本当はフミヤさんと結婚して家庭を持ち、我が子ができたらこんな風に接したかった。

駒賀野に長く住んではいるが、千代もふるさとを持っていない。

「ただいま」「おかえり」

そんな言葉が響く家を、虚構とわかりつつ噛みしめているように思えました。

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