MISAKIYUMIKO

1994年4月5日生まれ。仕事とは傷つくこと。

MISAKIYUMIKO

1994年4月5日生まれ。仕事とは傷つくこと。

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そうして私たちは2人だけで人生を十分に完結させて、どんな批判も、どんな揶揄も、そのへんに放置させておくだけの関係を徐々に作り上げていった。 マーコのおかげで、セクシャリティに関してだけではなく、キャリアや生き方について身内から受ける心無い物言い(多くの場合は、悪気さえない。)をされても、時代という制約の中で考え方を作り上げて、自分たちなりの価値観で生きているんだという背景や状況を込みで彼らを冷静に見ることができるようになったし、マーコも、嫌味ばかり言ってくる叔母に日本国憲法

    • セクシャリティを使うこと

      出会ったその日から1週間の間、私たちはずっと行動を共にした。 驚いたのは、出会った日の夕食の時に、彼女がいきなり「あなたに友愛的なセクシャリティを感じる」と言ったことだった。俗世間的な表現を使えば、見ず知らずの他人にカミングアウトしたということ。ただそれは「私のセクシャリティについてのまとまった解説」というような、カミングアウトという行為が持つ堅苦しさは全然なかった。 「基本的には男性が好きで結婚願望もあるけど、ただ女性とセックスすることもある。」 「異性愛7割、同性愛

      • マーコのこと

        マーコについて書こうと思う。 この数年間にマーコと私との間に起こった出来事たちを。 それはもしかしたら奇跡みたいなことで、あるいは私たちがそれを奇跡みたいなことにしたのかもしれない。 セクシャリティにこんがらがっていた私とマーコは、留学先で出会い、別々に帰国したあと一緒に暮らし始めた。 出会ったのはニューヨークのバスの中。正確に言うとバスから降りた直後のこと。マーコが私に「あなた日本人よね?」と話しかけてきたのがきっかけだった。バスの中で、隣に座っていたカナダ人女性に私

        • 親友からの手紙

          2歳下の私みたいな後輩へ 1週間も連絡しないでごめんね。 しばらく遠くに飛ばされてた。 心配してくれてありがとう。 自分の進む道と彼とのこと、それから世界が変わっていくこと。 そういうと折り合いをつけなくちゃ前に進めなさそうで、誰にも会いたくなかったの。 だけどもう大丈夫。 たぶん、どうやっても変わってしまうものもある。 その時、私は歌を歌うの。 歌っている間、だんだん私は悲しみと混ざりあう。 そして私が作り直されていく。 だからって悲しみが消えてなくなるわけじゃない。

          フェア

          私には気持ちいいと言わせたがるくせに、あなたは少しも言おうとしない。 そんなの全然フェアじゃないわ。 私を魂のある道具にするのは構わないけど、それなら私にもあなたを魂のある道具にさせて。