靴下を直す

私の靴下は、すぐに穴があく。
穴だけではない、穴があきそうに足裏が薄くなるのも早い。
冬はウール100%、夏は綿麻というように天然素材を選ぶので、化繊入りと違って生地が傷みやすいのだ。

なぜ化繊入りを嫌うのか。
私は末端が冷えやすいので、暖かい靴下が必須。
色々比べた結果、どうしても化繊入りは保温性に欠ける。
最近の高機能素材は、化繊入りでも温かいものがあるにはあるのだが、ウールに比べてなんと言うか…「ケミカルな温かさ」なのだ。
ウールの包まれるような温かさではなく、人工的に外から温めてる感じ。
ものすごく寒くなったらアリかなと思うけど、好みとしてはウールのジンワリ温かい方が好きだ。

というわけで、私の靴下はすぐに穴があいたり、薄くなったりする。
でも天然素材の靴下は3足1000円では買えない割高なアイテムだから、穴ぐらいで捨てるのはあまりにコスパが悪い。

だから私は靴下を直す。
穴には布を当て、薄くなったところは細い毛糸や刺繍糸でザクザク刺し子のように縫って補強する。
ダーニングすることもある。

こうして直した靴下は、座敷に上がる機会があるとちょっと恥ずかしい。
わかっている時用に新品を用意してるのだが、予想外の時はどうしようもない。

でも直すのはやめられない。
コスパの問題もあるが、どうしても簡単に捨てられない。

それに、直す作業は結構楽しい。
無心でチクチクと針を刺す作業は余計なことを考えなくなるし、自らの手で靴下が再生されていく様子はちょっと嬉しい。
他人から見たらボロボロの靴下かもしれないけど、手を掛けた靴下には不思議な愛着も湧いてくる。

ダメになると捨てて、新調する。
これが当たり前になりすぎて、やがて問題になり、SDGsとか言われるようになったけど。

直す時間がないのかもしれないけど、「直して使う楽しさ」を体験したら、モノはなかなか捨てられなくなる…は言い過ぎだろうか?

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