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魚の名前なんて知らない

私は、水族館の魚の写真を作品として発表している。
個展などで聞かれて困るのが、写っている魚の名前。
ほとんど知らない。

水族館をカメラを持って歩いて、「かわいいな」「綺麗だな」などと、何かしらを感じた魚を撮影している。
水槽の横にある説明書きを読めば、魚の名前や生体などもわかるのだろうけど、そこにはあんまり興味がない。

私はリアルな魚の体を写し取る写実的な作品は撮っていなくて、金魚の尾ヒレだけクローズアップしてオーロラのように撮ったり、きらびやかな照明のなかを半透明の身体でふわふわ浮かぶクラゲを撮ったりしているので、撮影中に「この魚の生体は〜」みたいな、現実(リアル)を感じたくないって気持ちがある。

10年近く撮り続けているので、さすがによく撮る魚の名前や、何を食べるとか、どこが胃袋かとかの豆知識は自然と身についてきたけど、あえて覚えようとしていなかったりする。

いいんだよ、名前なんて知らなくても。
そこに愛情はあるんだから。





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