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京都暮らしエッセイ

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京都が大好きで、京都に暮らし始めました。ささいな暮らしの中で感じること、街歩きのエッセイを集めています。
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#暮らし

京都暮らし、1周年記念日

本格的に京都で暮らし始めてちょうど1年の月日が経った。愛してやまない京都の街で日常を過ごせる幸せを噛みしめて、秋、冬、春、夏、秋と巡る季節を追いかけて、あっという間に1年。1周年記念と称して、改めて京都での暮らしを見つめなおしてみたい。 京都暮らし、始まりはワンルームからちょうど10月の終わり頃、私は同志社大学生が集まる地下鉄今出川駅の近くで、京都暮らしを始めた。京都暮らしをする前は1年3ヵ月ほど、家を持たずに多拠点生活サービスのADDressを使ったり、ゲストハウス、ホテ

写真で振り返る、夏の京都の記憶

朝晩と肌寒くなってきて、秋の風の心地よさを感じる頃。もうすっかり世間は秋へ秋へと向かっていて、夏のうだるような暑さが少し遠い記憶となってきた。あんなに夏の暑さが嫌いだったはずなのに、空気が秋めいているまさにいま、少し遠い夏の景色が恋しくなってきているのも事実だ。 あんなに暑さを嫌悪していたというのに、それがなくなったとたん、どこか懐かしい、いい思い出として記憶されるようになっている。まあ、いい思い出なのは事実なのだけど。恋人と別れた後、何年後かにいい思い出として美化された記

この街を愛し尽くそうキャンペーン

いま私は、絶賛「この街を愛し尽くそうキャンペーン」を実施中だ。それは何かというと、引越しまでの残り少ないいまの暮らしを愛して、気持ちよく次の暮らしへ向かうためのもの。その一環として、毎日朝の5時頃に起きて、1時間半ほどの散歩を続けるようになった。 「この街を愛し尽くそうキャンペーン」を通して感じるのは、「やっぱり私はいまの暮らしが好きだ」ということ。手の届く距離に、私の大好きなものがたくさんある暮らし。大好きに触れるたびに、引越しをすることへの寂しさとブルーな気持ちが付きま

大好きな京都の街が、日常の風景になる

京都に移住をして、はや半年が経とうとしている。相変わらず、京都の街が大好きだ。旅行で何度も訪れたときに思った「好き」と、実際に暮らしてみて日常になってから思う「好き」には、雲泥の差があるように感じる。今日は、この違いについて書いてみたい。 きっかけは、執着と憧れと悔しさ私の京都への執着のような憧れは、高校生のときまでさかのぼる。高校1年生のとき、ひとり旅の行先として京都を選んだことが、この執着の最初のきっかけだ。はじめて訪れたときに見た、「龍安寺」や「北野天満宮」が忘れられ

京都暮らし、桜を探し求める旅 Vol.1

京都が大好きでたまらなくて、京都暮らしをはじめた。そんな私にとって、春夏秋冬の移り変わりを京都にいながら感じられるのは、何よりも幸せなこと。とくに春には、お寺や神社、鴨川、至るところで春の浮き立つような桜の美しさを味わえる、とっておきのシーズンだ。 そんなこんなで、私は京都で過ごす初めての春を、今か今かと心待ちにしていた。京都市内の桜の開花情報と天気予報をチェックしては、桜を見に行くスケジュールを組む、そんな毎日が始まった。 明日から天気がよくなさそうなので、今日が満開の

暮らしの半径3キロ以内で、旅に出る

暮らすことと、旅すること。一見、対極にありそうな2つだけれど、共存している、と私は身に染みて感じる。私はいつだって、暮らしの中で旅に出ているんだ、と京都での暮らしを思い返してみてふと気がついた。 そんな暮らしに名前をつけるとしたら、「暮らしの半径3キロ以内で、旅に出る」という言葉がしっくりくる。たった3キロ、と思うかもしれないが、ぐるっと半径3キロで円を描いたら、想像以上にその範囲は広いことに気づくだろう。暮らしの中心となる家から外に向けて一歩踏み出せば、ささやかな旅は始ま

京都暮らしの備忘録vol.1「朝の空気を纏う京都の街」

京都にプチ定住をして早1週間。こんな感じだとあっという間に2ヶ月過ぎてしまいそうでこわい。ので、ちゃんと感じていること、気づきを備忘録として書いていきたい。 この1週間で感じたことは、朝の空気を纏う京都の街って良いよね~~ということと、属するコミュニティが変わったことについて、かな。 朝の空気を纏う京都の街が好き京都に来てからというものの、仕事がたっぷりとたまっていて全然遊びにいっていないしずっと休めていない。 けれど、なんとしてでも死守したい時間が、私にはある。 そ

京都暮らしの備忘録vol.2「京都で暮らすふつうの1日」

京都暮らしも3週間目に突入。とはいえ、どんな暮らしをしているのか、と聞かれると困ってしまう。本当にふつうの、ささやかな暮らしをしているだけから。最近はなんとなく生活がルーティン化してきたので(私にとってはいい意味で)、1日のだいたいの京都暮らしのスケジュールを振り返ってみたい。 京都暮らしの1日のスケジュール京都暮らしのスケジュール。大好きな街で、「ふつうの暮らし」ができる喜びを噛みしめながら日々の暮らしを楽しんでいる。 ちなみに、多拠点生活をしていたときはこんな感じのス

心が豊かだったのか、生活が豊かだったのか

京都にプチ定住をし始めて3ヶ月が経とうとしている。ADDressを使って多拠点生活をしていた私の暮らしが遠い昔のようだけれど。3ヶ月という月日があっというまに感じるし、遠い昔の日々のような気もする。 そういえば、とふと思い出す。 家を持たずに日本全国を旅するように暮らす、ADDressの暮らし(一般的にいう、アドレスホッパーやノマドの暮らし)って、とんでもないエネルギーが必要だったんじゃないか、と今になって振り返る。 たとえば。1週間ごとに住む場所を変える。家が変わるか

住む場所の最重要条件は、散歩に出かけたくなるかどうか、ということ

京都に引っ越して5日目。はやくも、この部屋が、京都での暮らしが、お気に入りになっている。 家探しや引越しは、とてつもないエネルギーを消耗する。暮らしそのものをすべて変える、とても大きなできごと。住むエリアや日当たり、防犯面、間取り、キッチンの広さ、家賃。家探しの条件は、考え出せばキリが無くなる。 そんな中で私が1番重要視した条件は「散歩に出るのが楽しくなる場所」である。いわゆる、立地だ。そのほかはあまり気にしなかった(ある程度の家賃基準や、1階は飲食店じゃない、とかの条件

秋が深まっていく

最近、外を歩いていると、だんだんと秋が深まっていく景色を見ることができる。10月と11月では、同じ秋とはいっても空気感がまったく違う。9月は夏の余韻を引きずる、10月はなんだか切なく感じる、11月はじっと冬が迫っている。 11月といえば紅葉だけれど、一面真っ赤に染まった紅葉よりも、黄色、緑、赤がグラデーションのように広がる今の時期がちょうど好きかもしれない。そんなことを鴨川沿いを歩いていて、大通りに立つイチョウの木を見て、感じた。 秋が確実に深まっていて、でもどこかのタイ

紅葉が美しい鴨川でのこと

連日、ありえないほどの天気のいい日が続いている。11月とは思えないくらいぽかぽか陽気で、部屋にいるのがもったいない、と思ってついつい外に出てしまう。 仕事は午前中と、夕方日が沈んでから取り組むとして。午後の時間はどっぷりと鴨川での時間を過ごしてみる。昨日の過ごし方がとってもよかったので、今日も本とカメラとレジャーシートを持って鴨川へ。昨日と違うのは、家で淹れたコーヒーを水筒と、おやつにはカントリーマアムを2つ持参。まったくお金のかからない娯楽の完成だ。 昨日とはまた違う場

京都暮らしでやりたいことリスト

京都での暮らしを始めて1週間。まだまだやりたいことはたくさんあるけれど、忙しない毎日で精いっぱいでやりたいことを忘れてしまいがち。暮らしや環境が変われば、気持ちを新たにできる。だからこそ、スタートは大切だ。そこで京都暮らしでやりたいことリストを備忘録として残しておきたい。 京都検定3級を受ける(7月) 紅葉の名所を巡る(11 月) お庭マップをつくる(3月) 古本屋さん巡りをする コーヒー屋さんで月替わりで豆を買う 鴨川で本を読む時間を週2で作る ヨガに通う

京都暮らし1ヶ月の気づき備忘録

京都で暮らし始めて早1ヶ月。あっという間の1ヶ月だった。京都に暮らし始めてよくいろんな人に「京都に暮らしてみてどう?」と聞かれるので、京都暮らし1ヶ月目で感じたことや気づき、京都に暮らしてよかったことなどをフラットにまとめておこうと思う。 京都は散歩を楽しむための場所とにもかくにも、京都は散歩が楽しい街だ、と改めて思った。鴨川沿いなんて永遠に歩けるんじゃないか、と思えるほど心地がいいし、道を歩いているといい感じのお店が並んでいたりして飽きずに散歩を楽しめる。碁盤の目になって