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京都暮らしエッセイ

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京都が大好きで、京都に暮らし始めました。ささいな暮らしの中で感じること、街歩きのエッセイを集めています。
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#散歩日記

京都暮らし、新緑を巡る朝活│鴨川、下鴨神社、京都府立植物園

昨日は6月のスタートにふさわしい、晴天の日だった。暑いけれど、朝はまだひんやりとした冷たい空気を感じられる。紅葉の名所が多い京都は、いままさに新緑の美しさが際立つ。あふれんばかりの緑を追いかけながら、京都の街を歩いた朝活の記録です。 朝の空気を纏う、鴨川にて大好きな大好きな、朝の時間の鴨川。ゆっくりと太陽が昇り、だんだんと景色は明るくなっていく。散歩やランニングをする人たちが行き交い、静かだけど確実に人の暮らしに根付く何かを感じられる時間。日差しにあたると少し暑いくらいだっ

京都暮らし、晴れた日の朝活│左京ワンダーランド

「明日は晴れだ」 天気予報を見て、大きな晴れマークがついているのを確認するのは、私が幸せを感じる事柄のひとつだ。次の日が休みであればなおさら。 というのが、「明日は晴れだ」ということを確認してからの、脳内の動きだ。やっぱり晴れだったら出かけたい。でも暑いのも人が多いのも苦手だから、朝早く出かけよう。そう考えてから、軽い計画を立てる。ああ、計画を立てて明日の過ごし方を妄想するだけで、楽しい。 そして、今日。朝から雲ひとつない青空!日中は暑くなるとはいえ、朝の気温はまだ20

京都暮らしの春巡り。春を先取りする、長徳寺のおかめ桜

京都暮らしの春巡り。京都暮らし2年目の私が、大好きな京都で過ごす春の美しさを記録として残しておくnoteです。こちらのnoteに続き、第2弾は一足早い春の訪れを知らせてくれる、長徳寺のおかめ桜について。 京都の街で、春の訪れをひっそりと知らせてくれる場所3月中旬にもなるのに、雨が降ったり気温が10度近く下がったり、100%の気持ちで「春が来た!」と言えない気候が続く。まだ真冬に着ていたコートとマフラーは欠かせないし、長時間の外出は厳しい。本当に来週には桜が満開になるのだろう

京都暮らしの春巡り。梅小路公園で一足早い春の香り

京都が大好きで、気づけば京都に暮らし始めていた。京都には有名な寺社仏閣がたくさんあり、観光客の心を惹きつけて止まないけれど、この1年ちょっと京都に暮らして思うのが、京都の魅力は日常にこそある、ということだ。 京都に暮らし始めてから、昨日と今日と明日のそれぞれの景色の移り変わりをこの目で確追うことの楽しさを知って。春夏秋冬だけでなく、春と夏の間、冬と春の間、季節の移り変わりの美しさを愛おしいほどに感じられる。その移り変わりを体感できるのが、旅行と暮らしの決定的な違いだと思う。

晴れた日、鴨川にて。

久しぶりの、晴れの日だ。ここ最近ずっとどんよりとした曇り空で、時にはしとしとと雨が降り続いていた。東向きの寝室には、本来なら朝の時間を知らせるかのように、あふれんばかりの太陽の光が差し込むのだけど。ここ1週間くらい太陽の光が届かず、つい目覚めが悪くなっていた。 けれど、今日は違う。ベッドに降り注ぐ太陽の光を感じたとき、「あ、今日は晴れなんだ…!」と、届く日差しを全身に浴び、一瞬にして目を覚ますことができた。 うれしい。そんな単純な気持ちによって顔がほころぶのが分かる。サボ

行きたい場所を繋いでいく自転車旅。

私が京都を好きな理由のひとつに、自転車でどこにでも行ける、というものがある。京都の街はコンパクトにぎゅっとまとめられていて、道は碁盤の目状に広がっているので、道に迷うこともなく、北へ南へすいすいと進める。鴨川を走り抜けば、信号もなく快適に風を感じられる。自転車で走るには実に快適な街だ。 春の訪れをひそかに感じる日々。実際はまだ寒いけれど、冷たい空気のなか太陽に照らされて揺らめく木陰や澄んだ青空を見ていると、外に出たくてたまらなくて、いつのまにか新しい場所へと足を運んでいる。

大好きな場所が暮らしのすぐそばにある、その意味とは

大好きな場所があるからこそ、私は京都で暮らすことを決めた。観光ではなく、日常のなかでそばに置いておきたい場所がたくさんあるから。旅行のときにだけ訪れるのはいやだ、散歩がてら訪れたりするように日常のなかにもっと大好きな場所を組み込んでおきたい。そんな気持ちで私は京都での日常を過ごしている。 初詣に、久しぶりに下鴨神社を訪れた。私は京都の数ある神社やお寺のなかでも、上位で下鴨神社が好き。足を踏み入れたとたんに変わる空気感や、季節で移り変わる緑の深さ、そんな緑を抜けた先にひっそり

京都暮らしの紅葉巡り。グラデーションで移り変わる日々。

京都暮らしの紅葉巡りの記録。赤や黄色、緑、オレンジ。彩り豊かなグラデーションの景色を眺めるのが大好きだ。 晴れた日には、太陽の光で葉の影がゆらゆら揺れる。真っ赤な燃えるような紅葉もいいけれど、私はいろんな色が入り交ざった「あいまい」の景色を楽しんでいたい。今年も大好きな街・京都で、たくさんの紅葉とその街の空気を味わった、その記録を。 四季の移り変わりが美しい、智積院春夏秋冬、どの季節に訪れても美しい景色に出会える智積院。20回以上行ったことがあるけれど、紅葉のピークの時期

一瞬で過ぎ去る秋の空気を、いつまでも忘れないために

朝、部屋に入る柔らかく冷たい風に触れる、ただそれだけで、泣きたくなるようなじんわりとした幸せを感じてしまう。それが、秋という季節だと思う。何もしなくても、ただ秋の風や空を肌で感じるだけで幸せだと思えてしまう季節。 秋はすべてが愛おしい。朝の冷たい空気を感じながらホットコーヒーを飲むこと。洗濯を干しているときに感じる風の心地よさ。部屋で柔らかく揺れるカーテン。足元に転がるどんぐり。空を見上げると広がっているうろこ雲。当たり前のように繰り返される毎日の断片で、私は泣きたくなるく

この街を好きになる季節がやってきた。【京都・祇園祭の備忘録】

私が「ぜったい京都に住むんだ!!」と最終的に決心したのは、思えばちょうど1年前だったような気がする。 ちょうど1年前。京都の街が、祇園祭で浮足立っていたときのこと。 私は、この街に溶け込む祭りの雰囲気に、圧倒されて動けなくなった。伝統や文化を守り続ける姿勢や、街全体が祭りへと進んでいく光景。一瞬で虜になって、もっと知りたい、もっと見たい、願わくば来年も暮らしの延長でこの光景を見ていたい、と感じたのだ。 そして、そんな願いが叶って、私はいま京都の街に暮らしている。京都市民

この街を愛し尽くそうキャンペーン

いま私は、絶賛「この街を愛し尽くそうキャンペーン」を実施中だ。それは何かというと、引越しまでの残り少ないいまの暮らしを愛して、気持ちよく次の暮らしへ向かうためのもの。その一環として、毎日朝の5時頃に起きて、1時間半ほどの散歩を続けるようになった。 「この街を愛し尽くそうキャンペーン」を通して感じるのは、「やっぱり私はいまの暮らしが好きだ」ということ。手の届く距離に、私の大好きなものがたくさんある暮らし。大好きに触れるたびに、引越しをすることへの寂しさとブルーな気持ちが付きま

物件下見という名の、街歩きデート

知らない街に降り立って、地図も見ずにひたすら歩くのが大好きだ。それは旅をするのが好き、とほとんど同義で。ただその街の空気を吸って、何があるのか、どんな人たちが暮らしているのかを感じ取る。そんな無為なことを愛している。 そんな私はいま、パートナーと一緒に暮らす準備をしている。準備というのは、たとえば、どんな暮らしをしたいかのすり合わせだったり、どの街に住むのかを決めたり、実際にサイトで物件を検索したり。ふたりとも、暮らすことへのこだわりが強い方だから、譲れない部分がそれぞれに

紅葉の名所は、新緑の名所。京都で楽しむ、緑の世界へようこそ。

5月。爽やかな風と瑞々しい新緑がきれいで、1年の中でも大好きな1か月だ。4月上旬ごろまでピンクの世界だった景色は、またたくまに、緑の世界になってゆく。緑色に変わっていくだけでなく、時間が経てば経つほど、緑が濃くなっていく気がするのだ。 瑞々しく、爽やかな季節。そんな季節に私が意識して訪れるのは、紅葉の名所、だ。青もみじとも呼ばれるように、秋には真っ赤に染まるもみじの木々も、5月になれば、それはもう降り注ぐ緑のシャワーのように、色を変える。私は、燃えるように染まる紅葉の「赤」

京都暮らし、桜を探し求める旅 Vol.3

満開を迎えた桜が、少しずつ散り始めている。ほんの少しの風が吹くだけで吹雪のようにピンクの花びらが舞って、その姿がとてもきれい。 第3弾となる今回は、京都市内の北側を巡った桜の旅について記録したい。私の家から半径3キロ以内にある、桜の世界。しみじみと、このエリアで暮らしをはじめてよかったなあと目を細めたくなるような、そんな景色が広がっていました。 賀茂川沿いの桜鴨川は出町柳のデルタを超えると、西側が賀茂川、東側が高野川に分岐される。私が住んでいるのは、賀茂川の方。四条から三