一瞬で過ぎ去る秋の空気を、いつまでも忘れないために
朝、部屋に入る柔らかく冷たい風に触れる、ただそれだけで、泣きたくなるようなじんわりとした幸せを感じてしまう。それが、秋という季節だと思う。何もしなくても、ただ秋の風や空を肌で感じるだけで幸せだと思えてしまう季節。
秋はすべてが愛おしい。朝の冷たい空気を感じながらホットコーヒーを飲むこと。洗濯を干しているときに感じる風の心地よさ。部屋で柔らかく揺れるカーテン。足元に転がるどんぐり。空を見上げると広がっているうろこ雲。当たり前のように繰り返される毎日の断片で、私は泣きたくなるく