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アムステルダム就職の流れ

海外に向けて転職しようとしたのは2017年12月ごろで、アムステルダムの会社に入社したのが2018年8月です。
それまでにいろんなことがあったので、オランダとか海外への就職に興味がある人向けに私の転職活動と移住の流れについてメモを残しときます。

転職前(2018年1月)までの自分

国内大学の経済学部を2015年に卒業し、2018年の時に社会人4年目で、フロントエンドエンジニアの仕事を始めて1年半でした。転職は今回で3回目です。留学経験はないです。2017年に友達の結婚式で行ったハワイ旅行が人生初めての海外体験です。2016年から英語でTwitterやってたので海外の同業者への認知度は多少はあったと思います。英語が好きというわけではなく、始めた当初は英語でやるつもりはなかったんですが、日本語よりも英語の方が反応があったのでそのまま英語を使いつづけていたら、海外のエンジニアさんと知り合えるようになってました。

海外に行く理由

日本で出会った海外のエンジニアさんたちから、日本の長時間労働はcrazyだと聞いていました。私もこの長時間労働が当たり前の業界にいたので、一体どう違うのかを働いて体感してみたかったというのが一番の大きい理由です。実際に働いてみて感じた違いは後で書く予定です。
オランダを選んだ特別な理由はなく、とりあえず欧州かアメリカに就職したいと思っていました。

海外での就職活動

2017年12月から就職活動は主に日本にいながらTwitterでやっていました。就職活動用に一枚のサイトを作って投稿して、そのあと何社かDMやメールが来ました。海外ではLinkedInが主流ですが、私はあまり効果的に活用できなかったです。

私の英語力

リスニングは発音によります。テキストは打てるけど、喋るのは緊張しすぎてつっかえるタイプです。出国前にBerlizに通っていたんですがその時はレベル3でした。一応50レッスンくらいやった後にレベル4になったと言われたんですが、こっちに来て、全然歯が立たないくらい私の英語はポンコツでした。。

同僚のみんなはスモールトークもミーティングもペラペラに話せます。話せるのが当たり前という感じです。

面接

メールのやりとりをしたのは8社くらいで、そのうちオンライン面接をしたのは5社です。

フランスの会社
フランスのwebデザイン会社のリードエンジニアの人が、twitter上でフロントエンドエンジニアを募集していたのでDMを送りました。リードディベロッパーとクリエイティブディベロッパーの人が面接官でした。穏やかで英語もゆっくり喋ってくれて終始リラックスできました。面接の時に知ったことですが私の友達がリードエンジニアの人と知り合いで「良いディベロッパーだっていう話を聞いてるよ」と言われたのでやったー!と思っていましたが、後から上層部からフランス語喋れる人限定だと言われたらしく採用はされなかったです。

ドイツの会社
1対1でskype面接しました。最初この会社のエンジニアの人がDMをくれたんですけど2週間ほど放置されたので別の人経由で面接をしました。WebGLやVRを専門にしてる会社でWebGLディベロッパーを募集していたのでできることなら行きたいなと思っていた会社です。私の作品を気に入ってくれていたみたいですが、スムーズに話せなかったので「英語が上手じゃないとこの会社は活発なコミュニケーションが必須だから難しい。ちょっと上司に話してみる」と言われて、その後お祈りメールが来ました。

オランダの会社
今働いている会社とskype面接をしました。この会社はDMをくれた会社です。好きな会社だったのでDMをもらった時とても嬉しかったです。今までの面接担当と比べて英語が聞き取れず苦戦したんですけど、英語できなくてもこっちに来てやれば大丈夫みたいな感じで面接一週間後くらいに内定をもらいました。

スウェーデンの会社
Hangoutで4者面談をしました。あちらからメールが来て面接をすることになりました。面接官3人いてそのうち2人の英語が聞き取れず、なんども聞き返すうちにたぶん気まずい雰囲気になってのちほどお断りされました。

カリフォルニアの会社
Hangoutで1対1の面談をしました。あちらから連絡が来て面接することになったんですが、サイトを見ても何をしている会社かわからずさらっと終わってしまいました。面談が終わったあと自然消滅しました。

面接内容はどの会社も似た感じです。
1.自己紹介。
2.前職を辞めた理由。
3.なぜ海外なのか(なぜ日本じゃないのか)
4.今までの仕事実績(面接前に実績内容をまとめた資料を送っていました)。
身構えてたんですが、まったく経済学部卒業についてのツッコミはありませんでした。

就労ビザ申請

オランダの会社から内定をもらったのは2018年1月下旬です。そこから実際の就職まで半年かかりました。
その会社はEU内しか採用したことないらしく、就労ビザ申請について詳しくありませんでした。なので検索で一番上に出た弁護士事務所を紹介してビザの申請をしてもらいました。就労ビザは雇用者側が申請をしなければならないそうです(なので私は特に費用は発生しませんでした)。そのため、私はパスポート情報を弁護士さんに渡しただけであまり詳しいことはわからないけど、オランダに住んで働くには会社が移民局とパートナー登録をすることと、私自身の居住許可と労働許可が必要になるそうです(※2018年時点の話)。
会社のボスが弁護士事務所へコンタクトをとるのが2月、連絡を待って弁護士事務所の人とやり取りを開始するのが3月、そこから居住許可は申請から承認まで3ヶ月ほどかかり 、労働許可はその後1ヶ月くらいかかりました。最終的に許可を得たのは7月初旬です。長く待つことはあるけど断られるケースは滅多にないと弁護士事務所の人に言われました。
2、3年前のオランダ移住記事の多くは移住しやすいと書いていますが、最近はいろんなところから人が来すぎてなかなかすぐに許可が降りなくなってきているらしいです。現地で会った日本人からも、フリーランスビザやパートナービザでも時間がかかるということを聞きました。オランダはいろんなところから移民が多くなりすぎているらしいので、今後のビザの取りやすさはオランダの状況次第かなと思います。
※ビザなしでも日本人なら働けるという記事がまだ検索上位に残っているのもありますが、その情報は2016年までの話なので就労ビザ必須の今の状況ではあまり参考にならない気がします。

入国

2018年7月にオランダに初入国しました。弁護士事務所の人にアポスティーユを外務省で申請して持ってきてと言われたけど、特に今まで使う機会はなかったです。
片道チケットなので空港の人から不審そうに聞かれるけど、あっちで仕事する予定でビザはあちらで受け取る予定と言えば大丈夫でした。
入国して15日後くらいに、弁護士事務所の指示に従って移民局へ行って指紋採取と写真撮影をしました。一週間後にまた移民局へ行ってレジデンスカードを受け取ってきました。このカードがビザの証明になるっぽいです。このレジデンスカードはEU圏外から出てまた戻ってきたときにパスポートと一緒に空港の税関で提示する必要があります。

アパート探し

最初の2週間の滞在先はairbnbでした。アパートが見つかるまで滞在するつもりでいたんですけどそれはちょっと無計画だったと思います。運良くエージェントさんのおかげですぐにアパートを見つけられたけど、アムステルダムは家の数よりも人の数が多く、年々競争が激しくなってきているらしいです。私は入国後にエージェントにアパート探しを頼んだけど、日本にいるうちからエージェントを雇って頼んでおくほうが、airbnbのコストを抑えられるなとあとで思いました。アムステルダムのairbnbやホテルもだんだん高くなってきているらしいです。
エージェントさんを雇うメリットは自分の代わりに内見にいってもらえるだけでなく、大家さんに交渉をしてくれることです。私以外に借主候補が3人いたそうなんですが、すごくアピールしてくれたおかげか私が契約することができたので、エージェントさんを雇って良かったと思っています。
アムステルダム中心地付近のアパートの相場は2018年時点で1500ユーロ、ルームシェアは800ユーロくらい。2019年はもうちょっと上がっているはずです。家賃は中心に行くにつれて高くなっているので、ちょっと遠いところだとぐっと安くなるそうです。
アムステルダムでは、Facebookのグループ(ほかにもここここ)に登録して探すというのが主流らしいです。非公開グループなので申請して承認をもらえないと投稿が見られないけどここではいろんな人がしょっちゅう物件を紹介しています。ここも競争が激しくて運が良ければ借りられる感じです。私の同僚の1人は入国する前からルームシェアの物件を見つけることができたけど、もう一人の同僚はルームシェアの物件を4ヶ月ほど探していたけど借りることができなかったほどなので、本当にタイミング次第だと思います。

私がアパートを借りたときは初期費用が結構かかりました。エージェントさんへの報酬が家賃1ヶ月分、敷金は2ヶ月分(あとで返ってくる)、家賃前払いは1ヶ月分、合計4ヶ月分の家賃を用意する必要がありました。 あとアパートを借りるときにパスポート等の他に、会社との契約書と自分の口座残高の証明書を要求されました。

もうすぐこのアパートも手放すんですが、退去が決まるや否や不動産屋の人から次の借主に内見をさせてもらえないかとお願いされました。アムステルダムではそれが当たり前らしいです。私の雇ったエージェントさんに相談したところ嫌なら断って大丈夫と言っていたので一応断ったんですけど、推しに推されてこの間1日に10人以上やってきました。もちろんみんな土足です。。冷蔵庫勝手に開けたりされます。これがオランダに来て一番のカルチャーショックかもしれないです。
後から聞いた話なんですが、オランダ人でも子供が熱出したとかなんとか理由つけて断っているそうです。私はびびってできなかったですが、勇気を振り絞ってなんとか理由をつけて断るのも手だと思います。

住民登録

アパートを借りたら、住民登録をする必要があります。アムステルダムのいくつかあるcity hallに直接行くか電話で予約のアポを取ります。だいたいアポは1ヶ月先になります。住民登録をして、BSN(citizen service number)を取らないと銀行開設ができないです。

銀行口座開設

ING銀行かABN銀行が主流です。私はING銀行で口座を開設しました。口座開設をした数日後に、キャッシュカード兼デビッドカードがおうちに届きます。これを使うとかなり生活がしやすくなります。それまではクレジットカードを使っていたけどスーパーマーケットではほとんど使えずちょっと不便でした。オランダはキャッシュレスが主流の国で住民はほとんどデビッドカードで決済している感じです。

給料・所得税

就労ビザの許可がもらえる条件に給与額があります。私のビザの種類はhigh skilled migrantsというもので、日本人がオランダの会社に就職するにはこのビザしか選択肢がないです(あとはパートナービザ持っている人もできると思う)。
このビザには最低賃金の条件があって、年々違うらしいので移民局のサイトで確認する必要があります。額面の給与についてしか書かれていないので、入国前は手取りはいくらなのかというのがすごく不安でした。いくつかのサイトでオランダの所得税は40%と言われていたんですが、それで一体どのくらいの家賃でどのくらいの食費で生活していけるのか不安でした。一応このサイトで手取りがいくらかを計算してくれて、だいたいこれで算出した金額が実際にそのまま手取りなりました。どうやら40パーセントも引かれるのわけではなく、ちゃんと手当がプラスされるので結果持っていかれるのが30パーセントくらいになります(収入によります)。それでも引かれる額が多い気がするけど、まぁしょうがないです。
外国人労働者には30 percent ruleというものがあります。これはまるまる30%所得税が免除されるものではなくて、年間所得からある規定の金額を引いたものから30%免税されるというものです。なのでもしも所得がその規定の金額以下であればこのルールは自動的に適用されないです。私は一応いくらか免除されるっぽかったけどめんどくさくて申請しませんでした(したほうがいいと思いつつも忘れていました)。

消費税(VAT)

食料や本、衣料品、交通機関など生活に必要なものには軽減税率で消費税が9%で標準の消費税は21%です。高いものを買うときは日本にいるときに買う方がお得です。私も8月に日本に帰ったときに新しいPC買おう思っています。
税金は高いけど、良いポイントはすべて税込価格ということです。支払いの時に値段が違うことがなくてがっかりしなくて済みます。

物価

基本的にどれもちょっと高いです。外食は特に。牛丼屋やうどんやさんみたいに安くて美味しい500円くらいで買える手軽なご飯がないです。
外食をするよりも自炊をする方が安上がりなので、こっちに来てからはほぼ毎日夕食を作っています。普通のスーパーで買う食料はそんなに高くはないです。けど日本食材店で買うものは、日本で買うよりも2倍くらいの値段します。
あと、アムステルダムにユニクロが1店舗あったのでヒートテックを買いに行ったら15ユーロしました。冬は寒いので日本から何着か持ってくることをおすすめします。

ごはん

野菜やフルーツは安くて美味しいです。けど美味しいレストランは多くない印象です。とあるケーキ屋さんでレモンパンケーキを頼んだ時、味付けがされていないプレーンパンケーキの上にレモン汁がかかっているだけのものが出ました。これで値段が7ユーロです。別の店で卵とチーズ付きの朝食パンを頼んだ時は、焼いた卵の上に単にチーズがのっかったパンがでてきました。なんというか味が融合していなくてただ卵とチーズとパンが順番に乗っかっているものを食べている感じでした。当たり外れが激しいのでtrip adviserやgoogle mapsの口コミを参考にして行くことを強くお薦めします。

もちろん美味しいものもたまに出会います。ここで突然なんですが個人的におすすめのお店と食べ物を紹介します。

Brouwerij t'ij(ブルワリー・アイ)ていうビールの銘柄です。こっちに遊びに来た彼氏も美味しいと言っていました。ライトなものからストロングなものまで何種類かあるので飲み比べても楽しいと思います。AHかMarqtというスーパーマーケットによく売っています。

フーフーラーメン屋さん。よく行列になっています。日本っぽいラーメンとは少しちがってバター風味が効いているおしゃれなラーメンです。この鶏レモンジンジャーラーメンが特におすすめです。近くにフーフーうどん屋さんもあるんですが、うどんのコシが強くて美味しかったです。

Polaberryっていう可愛い外見のお店です。オランダで食べるスイーツの多くは甘すぎるんですが、ここのいちごみるくシェイクはほどよく甘く美味しいです。日本人受けが良いと思います。下のマカロンも美味しかったです。

写真を撮っていないけど、Brasserie Blazerという飲み屋さんで食べるビタボーレン(オランダ語でいうコロッケ)が美味しかったです。オランダで食べるコロッケのなかでいちばん美味しかったです。会社から近いのでたまに同僚と飲みに行ったりしてます。

他にもあるんですけど長くなってしまうのでここまでにします。。これらは会社と私の住んでいるところ近辺のオススメの場所です。

その他

治安は良いと思います。私の住んでいるヨルダーン地区あたりは穏やかで夜歩いても安全だなと感じます。日本みたいに荷物を置いてトイレに行くということはできないけど、物乞いやスリが横行している感じはしないです。ホームレスを全然見かけません。でも場所によっては危ないところもあるので常に用心するに越したことないです。
あと水道水は普通に飲めます。東京のより美味しいです。けど硬水なのでシャワーの時はちゃんと髪の毛をオイルなどでケアしないとキシキシしがちになります。

あとは有名な話だけど主な交通手段は自転車です。みんなびゅんびゅん飛ばすしブレーキがないのがしょっちゅうあるので車よりも怖いです。私は怖がりなので自転車を持っていないです。だいたい徒歩で暮らしています。
それから、アムステルダムのトイレは結構綺麗です。空港も駅も美術館も綺麗でした。

転職・移住についてまとめたのはもう1年経つし、客観的にまとめられると思ったからです。1年前は不安がすごかったので。。今年はビザは更新せずに東京に移って、フロントエンド業はお休みしてWebGLとかUnityなどに絞ってフリーランスやるつもりです。
定期的にワケーションで海外で働きたいなと思っています。

近いうちに、1年オランダで働いてみた感想を書くつもりです。

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