お前にまつわるエトセトラ
「お前」と呼ばれるのがどうも苦手です。
父や兄からも呼ばれたことがなかったので、なんだか失礼な印象があります。
ただこれは世代によりギャップがあるらしく、60代の女ともだちは
「彼の独占欲を感じて嬉しいけどな。」とおっしゃる。うーむ、わたしが気にしすぎ?
うんとむかしに片思いしていた年上の方と、何かの折に連絡を取ったことがありました。
『俺は元気だよ。お前は?』『お前も大人になってキレイになったのかな。』などなど、何気ない文章に思わず潮干狩りのグッズを取り出してしまいました。手袋と熊手ヨシ!
「えっ、なんでそんなナメられてんの」って思っちゃったのです。着火が早すぎでしょうか。
先方に「お前呼ばわりはあまり面白いものではないのですが」とやんわり抗議しましたら、
「たしかに俺は妻のことを絶対お前なんて呼ばない。だがお前(ミシェル)はいいだろう、そのくらい甘えさせてくれ。」とのこと。
"お前" だの “〜くれ“だの、ずいぶん安く見られたもんだ。
真顔で画面をそっ閉じしたのは良い思い出です。
片思いから25年。私の隣には彼と同い年の夫がいます。
今日も元気に会社に行く彼を、心の中で「道中気をつけろよお前」と見送るのでした。
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