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【共鳴するバイブレーション】



「人類の可能性を叡智する」というコンセプトのヒューマンポテンシャルラボの九州のオフ会が終わった。
私は「個がある人に出会いたい」という目的で入ったオンラインサロンで、自ら幹事を名乗り出た。

個性的な素敵な人に出会えれば、多少の苦労は厭わない。
なぜなら、人が変わるのは「人との出会い」しかないからだ。

ヒューマンポテンシャルラボのむろき優理ちゃんが、サックスを吹きながら盆踊りツアーで鹿児島から北上してくるというので、それに合わせて日程は決まった。

優理ちゃんにうちに泊まったらいいよ!と言い、実際に会うのは初めてだった。

初日のオフ会の清水寺は、自然に圧巻され、雪州の作ったお庭では、いつも携帯ばかり触っている身としては、落ち着かなかった。
しかし、庭を見つめていると、こんなところに苔、こんなところに滝・・・と次々と視線は移り変わる。

不思議と暑さは感じず、風の音とともにちりんちりんと風鈴の音が絶妙なタイミングで響く。

鳥の声が聞こえたと思えば、蝉の声・・・

曇っていた庭に日差しが入ると、一気に庭の色が変わる。

そこに、副住職のナベちゃんがラブフルートを吹いてくれたり、自然のつながりなどを説いてくれたりで、
あっという間に時間はたち、
座禅をして、一緒にいるだけでエンタティナーのような人たちとの終わらない話に後ろ髪を惹かれながら、
みやま市を優理ちゃんとともに後にしたのだった。

それから帰路につくまで、ついてからもひたすら深い話をしていた。

もう一つのオンラインサロン「放課後倶楽部」の読書会で優理ちゃんを紹介する。
がざごそがさごそ・・・
嫌な予感がした。

気づくとチョコ(犬)が客間に入り込んでいる。
優理ちゃんが叫ぶ。
「やばい!!!」
見ると優理ちゃんが20年連れ添ってきたソプラノサックスの
マウスピースとリガチャー、リードがガジガジにかじられていた。

「これはね、この3つの組み合わせで、音がぜんぜん違うの・・・次の講演が11日だから・・・それまでにどうにかなるかわからない・・・」

穏やかな優理ちゃんがここまで言うのは、
よほどのことだろう。
お金で解決できる問題ではないことは、一瞬でわかった。

「犬だし怒ってもしょうがないし、受け入れるしかないよね・・・」

動揺した私達は、意味を求め、カードを1枚づつ引く。
禅のOSHOもインドの経典のギータも
同じことを言う。
「手放し・再誕生」

翌日の糸島ツアーを諦めて、福岡中の楽器屋を探す決心をした。

翌朝、優理ちゃんと自然から離れて、福岡市内に繰り出す。
前日に調べていたクレモナ楽器がなんとなくマニアックそうで行く。

優理ちゃんの使っているマウスピースは「リーチェラ」というメーカーのもので数が少ないらしく、クレモナ楽器には取り扱いがなかった。

リーチェラじゃないと行けないというこだわりを優理ちゃんが捨ててくれた。

店員さんに事情を話すと、似たような商品を5つくらい持ってきてくれた。

リードを止めるリガチャーというものが、金属のときソプラノサックスは甲高い音をあげた。

リガチャーを革製のものに変えると、音が和らぐ。

更には、優理ちゃんの愛用のリードが1箱だけそのお店にはあったのだ。

リードを変えた瞬間、一気に音がまろやかになったのがわかった。

リードが決まったので、5種類のマウスピース、それから1種類の革のリガチャーの組み合わせ、リードの高さを調整していく。

フランス製。

アメリカ製。

イルカのような流線型。

高温は出るが、低音までは響かないもの。

吹くときに苦しそうなもの。

甲高い女性的な音。

艶感。

遠くまで届く音。

店員さんと優理ちゃんが、そんな風に形容するので
私も参加してみることにした。

感じることを繰り返す。

「今、盆踊りで巡業中だから、遠くまで届く音を求められるの」

最終的に残った2つはあえて形容するなら

「青空を突き抜けるような澄み切った女性のような甲高い音」

「スモークウィスキーのような深みのある音」

優理ちゃんにリクエストする。

「祭ばやしが聞いてみたい!」

おもむろに、聞いていた曲は一気に祭り囃子になる。

女性のような甲高い音は、明るい陽気な祭り囃子で、狐のようだった。

そしてスモークウィスキーのような岩田屋で働いている上品なおじいちゃんのような音だった音色は、一気にひょっとこのような躍動感醸し出したのだ!

「こっちの音のほうが好き!」
そういう優理ちゃんに
犬のことで感じていた罪悪感を振り切り私は言う。

「優理ちゃん・・・ひょっとこがみえたよ・・・鳥肌出た。」

優理ちゃんは、納得したように頷くと、その男性的なひょっとこマウスピースを選んだ。

私はというと、目の前の3種の神器の組み合わせでこんなにも音が変わるのかと言うことを体感し

感性を言語化するという恥を追い払い

この私のためだけのセッションを受けて、ものすごく満たされてしまった。

そして、変容の二日間の中、人との出会いや環境に結びつけ、感じる力や共鳴するバイブレーションが作り出すあたたかな居心地の良さをこの出来事からのメッセージではないかと思い、記事にしている。

そしてもう一つ、うちの飼い犬がチョコ(通称社長)から破壊と再生の神シヴァに改名したことはいうまでもない。


優理ちゃん、ショックな出来事を思いやりとうけたもうの精神で、一緒の時間を過ごしてくれて、大きな変容を見せてくれて、本当にありがとう。
そして、クレモナ楽器の神がかったお姉さんとの出会いに本当に感謝します。

これからもお役に立てる記事を書いていきます。