見出し画像

補助金を使って、普段は手が届かないことをやってみませんか?ー団体編ー

合同会社Boosterの三坂です。

文化庁令和2年度第2次補正予算事業として募集が行われている、「文化芸術活動の継続支援事業」について、以下の記事の続きです。

団体での申請についてです。小規模団体が申請できる「活動継続・技能向上等支援B」は上限150万円。事業の趣旨として、「活動の再開・継続に向けた積極的取組等に必要な経費を支援」とあり、補助の対象となる取組として、

(1)以下の①〜③のいずれかの取組(複数可)
① 国内外の観客、参加者等の回復・開拓
② 活動の継続・再開のための公演・制作⽅法等の検討・準備・実施
③ 雇⽤契約の明⽂化等の経営・ガバナンスの近代化
(2)(1)の取組と併せて⾏う、業種ごとの新型コロナウイルス感染拡⼤予防ガイドラインに即した取組

とあります。トライアル公演を行う場合はそれだけで補助対象経費の上限を超えることが多いので申請しやすいですが、2020年2月26日~2020年10月31日(2020年12月6日)までに公演していない・予定がない場合、そんなに使うアテがないから出せないよ・・・と思うかもしれません。しかし、そこであきらめてしまうのは、ちょっともったいないです。
経費の2/3が補助金でまかなえるので、この機会に「やった方がいいけど今までやれなかったこと」に挑戦してみませんか?

補助金額の下限10万円をめざす

Bの上限は150万円ですです。ただし、2/3の補助なので、上限全部もらおうとすると、75万円の自己負担が発生します。
複数の取組を組み合わせて行うといっても、公演をせずに、それだけの自己負担をするのは大変です。そこで、補助金額の下限10万円を目指して考えてみませんか?

10万円の補助金について必要な対象経費は15万円。自己負担金は5万円となります。団体の貯金があったり、持続化給付金でまかなえたり・・・という場合は、手が届きそうな気がすると思います。
1つの取組で対象経費15万円を目指すのはハードル高いですが、幸運なことに、複数の取組を組み合わせることができます。
もし私が出すとしたら、こんな感じかな?というものを考えてみました。

補助金額10万円(対象経費15万円)を目指す:劇団

(1)①国内外の観客、参加者等の回復・開拓
・活動実績をまとめた冊子の作成、配布
過去公演の実績をまとめた冊子の作成、配布。作成した資料はサイトに掲載したり、売り込みたい劇場に送ってみたりできます。公演に折込してみてもよさそう。もちろん、今まで公演に足を運んでくださったお客様に送ることもできます。
想定する経費:デザイン料、印刷費、冊子のディレクション費、折込代行料など

・CMやPR動画等の制作、配信
過去公演の舞台写真や映像をまとめたPR動画の作成と配信。公演のPVではなく、団体のPVなので、しばらく先まで使えます。
想定する経費:映像ディレクション・編集費、素材のデザイン料など

(1)②活動の継続・再開のための公演・制作方法等の検討・準備・実施
・技芸の研鑽のための自主稽古
稽古場を借りてストレッチとか発声練習したり、講師をよんでヴォイストレーニングを受けたりダンスのレッスンを受けてみたり。
想定する経費:稽古場の会場費、交通費、講師謝礼

・インターネットを活用した技芸の研鑽のための共同稽古
ZOOM等を活用した読み合わせなど、稽古場に集まらない形での稽古。
想定する経費:ZOOM等の使用料など

(1)③雇用契約の明文化等の経営・ガバナンスの近代化
・会計システムの近代化
今後の決算に向けて、freeeなどの会計システムを導入する。
想定する経費:会計システムの利用料、パソコン購入

・行政手続等に係る書類作成のノウハウ習得
助成金書類作成や法人化に向けての書類作成のノウハウについて、専門家に相談する。
想定する経費:専門家への相談料

・契約書等についてのリサーチ
契約書作成や締結時に気を付けるポイントについて書籍で勉強したり、専門家に相談したりする。
想定する経費:書籍購入費、専門家への相談料

(2)(1)の取組と併せて行う、業種ごとの新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに即した取組例
・公演実施に係るマニュアルの作成
チケット販売の方法や購入後の対応、受付周り等当日運営の様子を確認し、今後の公演実施に係るマニュアルの作成のリサーチとして、無観客ライブ配信や劇場での観劇、映画館での映画鑑賞、美術館に行くなどをおこなう。
想定する経費:チケット代、交通費

・消毒その他感染症対策のための取組
稽古で使うマスクやアルコール、フェイスシールド等を買う。
想定する経費:マスクやアルコールの購入費

※私が募集案内を読んだりコールセンターに問い合わせたりして「申請できるかな」と思っている例なので、実際に申請する場合は、自分の判断でどんな取組があるか考えて申請してください。

なお、
・すでに法人化している
・任意団体だが令和元年、令和2年度に文化庁または振興会に採択実績あり

ではない団体は、財務諸表の準備が大変かと思います。
団体内に税理士さんがいたり、バリバリに経理ができる人がいる場合は団体で出すのもいいと思いますが、そうでない場合は、団体の代表者がA-①もしくはA-②で出す方がいいんじゃないかな~というのが、募集案内を読んだ感想です。

実際に申請しなくても、「もし、劇団の今後の活動の糧になる準備のお金として15万円使うとしたら何をするかな?」と考えたり劇団内で話し合ったりするのは、これから自分たちがどういう活動をしていきたいのか?何が足りないと思っているのか?について話す機会になります。

自分たちの活動に改めて向き合ってみて、「これだけ負担してもやってみる価値があるな」と思えることがあったら、申請に挑戦して、今後の活動に活かしてもらえるといいな~と思います。

サポートしていただくと、記事が役に立ったんだな~と喜びます。