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雪下にんじんは「いのちの記憶」

先週のびっくりぽんなマイナス6℃の大寒波。そんな雪の下から出てきた「雪下にんじん」は家族の取り合い。

まだ色んなことが未発達ゆえに
ただただ本能のままに生きている2歳児と0歳児が喧嘩しながら取り合い、奪い合い、足りないと泣くにんじんです。

娘の初めてのお誕生日は人参とご飯のケーキ

雪の下で寒さに負けて凍ってしまわないようにお野菜さん達は自ら糖度をあげる。大根、人参、ほうれん草、寒さに生き残って糖度を上げた冬野菜たちの味わいはエネルギーに満ち溢れている。

触ると冷たくずっしりと引き締まっているのがわかる。まるでひんやりとした分銅みたいなずっしりさ。

包丁をいれると
さく、ではなく
ぱり。

切った手ごたえよりも割れたような感覚。
これぞ美味しいやつ。
と野菜マニアはニヤニヤしながら切るのです。

それはそれはもう、甘い。香りまでうまい。

2歳も0歳も大人になった時には、この味も若かりし母ちゃんの顔も記憶には残っていない。私が覚えていないように。

だけど
この味、この旬の生命力の高いエネルギーは
彼らの「いのち」に刻まれる。

私のごはんが
血肉をつくり、身体をつくり
腸を整え、心をつくる。

それは生命になる。

こどもとずっと一緒にいると嫌になることもバンクすることもあるけど

子どもが生きてる。ただ蒸しただけの人参が、いのちに記憶されて刻まれていく。
私の記憶には人参を取り合う可愛くて小さな彼らの姿が刻まれる。毎年、雪の下から人参が出てきたら思い出す記憶になる。

それが家庭料理の醍醐味。

さて人参に火を入れるときに大事なことは
●皮は剥かない
●じっくりゆっくり火を入れる

ただそれだけで
煮る、蒸す、炒める、どれでも
本能のままに生きるこどもが、取り合う一品が完成だ。切ってもいい。だけど時間があるなら丸ごと茹でるか蒸すのが1番おすすめ。
大人はオリーブオイルを垂らして。


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そこの兄さん(2歳)そこの姉さん(0歳)
まだ母ちゃんが食べようと思って隠してた人参さんがたんまりあるから(ため息)
喧嘩はおしまいやぞ。

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