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詩 『決意の夜』

夜明けに包帯を取れば傷口がうっすらと
痛々しく熟れている
可哀想だと
同情なんかされてたまるかと

何もわからない、同じ傷口をつけたとしても
何もわからない
細く、薄い、赤黒い線が
月夜にうっすらと光る
それでも、夢を、
その傷口に夢を見る

また始まる朝
包帯をきつく巻いて
気合いの印
テープを巻けば私は私じゃなくなる
それでも同じことの繰り返しだと知っている
覚悟を決めたのに
その覚悟が揺るがないものになる前に
真夜中で心を震わすものに呆れ疲れる

同じじゃない、ずれたところに
同じものを、忘れないものを見た
痛みをとるための傷
痛みのない傷じゃない
それでも痛みをとるための傷だから
世界に何万人と同じ印が見える
それでいいから
それでいい
頑張れなんて、この世の印をつけるななんて
誰にも言わせない
また始まる朝
きつく結んだ包帯を眺める

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