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3月のうた

カウンター越し働くひとの立ち姿
グラス洗う手を見つめて詠う

僕は身体を使って
働くひとが好きだ
頭で考える仕事はだめだ
あれは実際働いてはいない
働いているという錯覚に
気づかずにいるひとたちだ

身体を使って働くことは
人間の根源にある動作だ
やらずにはおれない衝動だ
身体の芯から指の先までも
ピンと張って力を込める
美しい動作だ

頭で考える仕事はだめだ
あれはよくない
身体を使う仕事は
その着ている汚れたシャツでさえも
ピカピカと輝かせる
それこそ、ほんとうの仕事だ

僕はほんとうの仕事をしていない
ほんとうには生きていけない

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