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もし


もし

いまを捨て
きみを捨てて
見慣れない列車の終点まで

がらんとした駅前で
途方にくれたふり、して
わきあがる喜びにあふれて

歩きはじめて
つかれて、ねて
薄汚れて

それでもきみに恋して
ときには滾らせて
ひとりきりで果てて

もしかして
君で
そして僕で

もう、戻れなくて
夜になって
目をつむって

星をみて
少し泣いて
息をすって

もし

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