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So-saku-Box(創作箱)

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定期的に詩歌やテーマを決めないエッセイを発表しています。これまでinstagramやfacebook、twitterなどで発表してきたものも再掲載。
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#現代詩

虚色

好きだよ 好きだ 好き 君の首筋が好き 皮膚の下で流れる 青白い川 いくつもの支流 きみの歯…

TOBLERONE

TOBLERONE 名前は変わらないけど もう会わないし 鮮やかな色彩(いろ) いつまでも回り続け…

つくるのうけとるの

つくる つくる、きみ そのゆびをみつめているの びくびくとうごめくるる ゆび ゆびの、うご…

もし

もし いまを捨て きみを捨てて 見慣れない列車の終点まで がらんとした駅前で 途方にくれた…

過日

あぜ道に立って 青臭い匂いを いつまでも 嗅いでいた頃 こんな日だ 君が 眠るのを待って 歩…

す き ま

足指の先から 染みとおるふるえ “いきもの” の温かさ 室外機がごうごう わずかに開いた窓…

まねごと

入道雲が 作り出す日陰に 思わず立ち止まる わずかな 切れ間から 予報にない天気雨 トン、トン、ツー 停留所の 屋根で音が踊る モールス信号が トン、トン、ツー、トン、ツー つかの間 電信員になる 300秒の間 ト、ト、ト、トン きっと 秘密を伝えている 僕には解読不能の トトン、ツー、ツー、ツー、トン 雨は止んだ 熱をたたえた空気 視界がぼけてる

さかさまの坂

希望と絶望をまぜまぜして ぼくはゲーテの坂を上る どうせ6時間くらいの我慢だから チャイムが…

そらのなみだをまっている

あをむらさきの、ちのいろを いまより、もっとあざやかに かわったかおの、ともだちと たくさ…

風にゆれる

停留所で次の電車を待つ。 ホームのへりで踵を上げる。 線路の向こうにきみが、 ゆれる、ゆれ…

朝 ごと

朝のひかりが反射する 上り電車待ちのホームで すでに上昇しきった気温が 遠くの入道雲たちを …