ザザンッ……
キムくん、気がついてたんだ……
手を繋ぐチャンスに気づかれていて、恥ずかしくて、目をそらしてゴニョゴニョ話すわたし。
わたしがついた嘘。
これからも孤独を抱えながらも、きっとそれなりに楽しく1人で生きていくのだと思っていたところに、偶然キムくんに出会った。
でも、
キムくんが元彼と同じ歳だったこともあり、どうせまたこれも過ぎ去っていく恋愛なのかな、と思った。
”楽しい!”という思いと同時に、”傷つきたくないから恋愛が始まってほしくない……”という思いもあった。
そんな思いからついた嘘……
(#2 , #3のエピソード参照)
キムくんは続けて言った。
図星すぎてびっくりした。
ちょっと泣きそうになったのを必死に堪えながら頷いた。
わたしは何も深いことは話していないのに、そこまで悟ってくれたんだ……
わたしは考えていることをあまり口に出せずに抱えてしまうところがある。
だから、
こんな風に気持ちを察してくれたことがビックリで、嬉しかった。
この人なら、ずっと一緒にいれるかもしれない。
この人なら、どんな自分も受け入れてくれるかもしれない。
なんか、心の糸が解けた感覚がして、急に自己開示をしたくなった。
ひゃー!言っちゃった……
なんて返事が返ってくるかな?(ドキドキ……)
…
…
…
…
…
…
……え??
…
…
…
え……えーーーーーーーっ!?!?∑(゚Д゚ノ)ノ
…
…
…
……..ほえぇ〜〜〜〜〜。(拍子抜け)………
…
…
…
😳!!
そう言ってキムくんは立ち上がって手を差し出してくれた。
ドキッ……
手を繋いで帰るのか……
…
…
…
差し出された手をとって立ち上がったら、
キムくんはすぐに手を離した。
とツッコみたかったのに、お互いの言語が話せないと、こういうときに不便だ。
と言って、わたしはパパゴで訳してキムくんに見せた。
キムくんは、あぁ、そうか、というような素振りを見せて、わたしの手をとって歩き出した。
歩きながら、キムくんが言った。
そうして、わたしたちは海辺を、手を繋いで歩いて帰ったのでした。
続く
▼"ねぇ"- DREAMS COME TRUE