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20代の私が感じた、クリエイティブの現場と世界観|三鷹の森 ジブリ美術館

はじめまして、みるです。
先日、ジブリ美術館に行ってきました。2回目でしたが、最初に行ったのは小学1年生のときだったので、ネコバスに乗った記憶しかほぼありません。

突然ですが美術館って、訪れたときの年齢で見方が変わると思うのです。年齢はただの数字ですが、もっと具体的に書くと、そのときまでの年齢で得た知識や経験ですね。
例えば、小学1年生のネコバスを無邪気に楽しんだ私と、20代になって来た私では見方が違います。
最近思うのは、歳を重ねる面白さや楽しさって、こういうところにあるんじゃないかな、ということです。

さて、前置きが長くなりました。ここからは20代の私が見た、ジブリ美術館の魅力や気付きについて記します。
※これから行くけど何も知らない状態で楽しみたい、という方はここで引き返してください。


物語の主人公になるには

まず、ジブリ美術館の建物内では、携帯電話の使用・写真撮影が禁止されています。
※本noteで使われている写真は、撮影可能である屋外で撮ったものです

「こんなSNS時代だし、一部撮影可能にすればいいのに」と、つい思ってしまいがちですが、パンフレットにはこんな記載がありました。

ジブリ美術館は物語の入り口です。物語の主人公になるには、カメラを向けるのではなく、この空間をご自分の目で見て、体で感じてください。

三鷹の森 ジブリ美術館 パンフレットより

そうか、美術館を楽しむってそういうことだよな、と。
撮影禁止だったおかげで、展示物をより深く味わって本noteを書くことにもつながったのかな、と思います。

また、ジブリ映画といえば久石譲さんの映画音楽。館内ではジブリ映画音楽が流れているのかと思いきや、流れていませんでした。
ここからも、美術館では「展示物を楽しませる」という意志を感じました。

美術館の装飾に注目

展示室ではない、館内のいたるとこにある装飾にも注目しましょう。

まず館内に入って印象的だったのは、ステンドグラスでした。吹き抜けの天井や窓、ランプシェードに使われています。
館内中央ホールの照明は、かなり柔らかい光です。ステンドグラスから取り込む光が、より印象的に見えました。
ステンドグラスの柄は1つ1つ違ったので、細かく見ることをおすすめします。

ステンドグラスについては、ジブリ美術館の公式ブログにもお話が載っていました。
https://www.ghibli-museum.jp/shop/gior/011071/

さらに、ドライフラワーの装飾が控えめにもかかわらず、館内に彩りを加えてるように見えました。
最近はシンプルな部屋が理想でしたが、ドライフラワーの魅力に気付き、部屋に取り入れようかなと企んでいます……

アナログって素敵

個人的に1番興味深かったのは、常設展示室「映画の生まれる場所」です。
映画ができるまでの、クリエイターの仕事を紹介しています。

あくまで素人の想像ですが、最近はデジタル!クラウド保存!が主流。映画制作に関わる実物が残っているって、少ないのではないでしょうか。
しかし、昔ながらのアナログなら、たくさんの実物資料を実際に目にすることができる。アナログの良さも感じることができました。

さて、少し長くなりますが、1つ1つの部屋について書き記します。

映画がはじまる所

まず入ると、壁一面に水彩画が貼られていました。イメージボードと呼ばれるものだそうです。展示されているイメージボードは、きっとほんの一部。他にもたくさんの形にならなかったアイデアがあるんだろうな、と私は想像しました。

イメージボードに部屋にある分厚いスクラップブックには、植物や魚のスケッチ、どこかの国の写真が貼られていました。
ドイツのローテンブルクか、フランスのストラスブールのような街並みに見えたのですが、どこかご存知の方がいらっしゃいましたら是非コメント欄に……

世界をつくる所

「映画の品(ひん)は美術できまります。」という言葉で始まる次の部屋には、たくさんの本が置いてあります。
世界の植物の本に関する本が多かったのに、特に驚きました。背景1つ1つに、ここまでこだわっているのかと。

戦闘機の本は、「紅の豚」や「風立ちぬ」の参考にしたのかな、など想像するのも楽しかったです。
しかし、帰ってきて調べたら宮崎駿監督は、筋金入りの飛行機オタクなのですね(笑)自分の趣味や世界観、生き方を作品にできるクリエイティブの仕事は魅力的だな、と改めて感じました。

もの語る所

「となりのトトロ」と、「火垂るの墓」の絵コンテ(映画の設計図)を見ることができました。
クリエイターの息づかいというか、表現しようとすることを感じられます。もちろん時間的に全ては見られないので、ほんの一部ですが。

作画室

使い終わった鉛筆や、作品ごとに決められた色のサンプルのようなものなど……
実際に絵を描いて、映像になるまでの過程が分かります。
絵を描いて色を塗って、フィルムを仕上げていくまで。どれだけたくさんの人が関わって、時間を費やしているのだろうか……
と考えると、気が遠くなる思いです。クリエイターを突き動かしているものは、作品への愛情なのでしょうか。

映像展示室「土星座」は最後に

映像展示室「土星座」では、ここでしか見られないオリジナルの短編アニメが上映されています。
私はすべての展示室を見終えて、1番最後に見ました。

「美術館になんで映画?」と行く前は思ってました。しかしジブリ美術館の展示を見ると、納得できるのではないでしょうか。
映画ができるまでを知ってからだと、いつもとは違う新鮮な気持ちで見ることができました。

全体を通して

有名なロボット兵(左)とカフェ麦わらぼうしのクリームソーダ(右)

ジブリの世界観と、クリエイティブを肌に感じられる制作の現場を感じることができて、とても満足です。

次に行くなら、ステンドグラスを通した光の感じ方や、雰囲気の違いを感じたい。そのため、秋〜冬の夕方かなと思います。
3回目が何年後になるかは分かりませんが、歳を重ねたら必ずまた行きたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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