『響け!ユーフォニアム3』 第五回 ふたりでトワイライト 視聴者ノート
今回は懸念事案であった"実力勝負や全国金賞"のための作戦会議、オーディション方法の変更など3期の本筋が進みつつ、タイトル通り"ふたりでトワイライト"な見どころが至る所にでてくる、そして次回のオーディションへの不穏な伏線など盛りだくさん!さすがヴァイオレット・エヴァーガーデンの石立太一監督な回でしたね。
本noteでは様々な"ふたりでトワイライト"を中心に読み解いてみたいと思います。
久美子と麗奈
まずは"ふたり"といえば久美子と麗奈でしょう。冒頭の電車のシーンは生きる目的が決まっている麗奈とふらふらしている久美子の対比がありました。リズと青い鳥の"希望とみぞれ"も進路調査票は白紙のまま = ベン図が重なっていましたが、麗奈は(たぶん)音大志望なので久美子とはベン図が重なりません。という訳か吊り革をベン図に見立てる新しい演出。
「迷いをなまけの言い訳にするなよ」と松本先生からもお説教に近いような二者面談でしたが、実は久美子が周りに流されないという"特別"を獲得できていることを見抜かれます。
その後、せっかくのお祭りに晴れ着を着ているのに麗奈の家、自宅スタジオで2人だけの演奏。毎年恒例になった"あがた祭り"の日には"ふたりでトワイライト"をして特別を確かめあいました。
最後に出てくる水面の反射光は、久美子が二者面談したときのマグネットと同じ配置です。久美子と麗奈ふたりのベン図が特別に重なるのは"周りに流されない”という事なんでしょう。
さまざまな2人でトワイライト
久美子と麗奈以外にもさまざまな2人がトワイライトでした。
放映前に公式素材を使って感想を書いてみたのですが、劇中ではここから黒江のサポートもありましたが求の接近があり微笑ましかったですね。
花田十輝さんと石立太一監督のコンビという事で境界の彼方。その声優さんだと名瀬美月役の茅原実里さんの登場が一番現実的かなと思い、中瀬古香織先輩が出てくることを半ば願望てきに冗談で書いていたのですが、本当に出てきてびっくりしました。(セリフはありませんでしたが。)しかも、2人が出てきたシーンではさっちゃんが飴を舐めています。
"境界の彼方"、美月ファンの方いかがでしょうか?
1人の黒江
相変わらず実力勝負は嫌だと表現しても「北宇治は実力勝負だから」とさとされる黒江。勇気を出して"あがた祭り"に久美子を誘ったのに断られたり、お祭りに行って集合写真を撮ってあげても代わってくれる人もいないし、最後にはなぜか1人取り残されていたり、なかなか踏んだり蹴ったりではないでしょうか。
仲間になろうと色々と努力はしていますが、心の底から仲良くなれる関係性をつくれていないようにも感じます。
そんな黒江が久美麗の演奏をバックに"2つの火の粉を見上げるシーン"で目がウルウル。この炎は演出的にはトランペットとユーフォニアムのソリ演奏に見立てているように感じます。
「わたしも本気を出してトランペットととのソロを演奏してみたい」と強豪校出身の実力者としての心の炎が燃え上がっているのかもしれません。
黒江が北宇治の夏服に着替えたのも"北宇治の実力勝負"を受けて立つ覚悟だったのかなと思いました。単なる衣替えかもしれませんが。
"ふたり"ではなく、二匹から三匹になる金魚
久美子の父が会社で貰ってきた二匹の金魚、2人でトワイライトにぴったりと思いきや、ラストシーンでじわりと意味がでてきます。
祭りの終わりに麗奈と取ったと思われる三匹めの金魚を自ら水槽にいれます。最初に見た時にはタイトルは"ふたりでトワイライト"だから、ものすごく違和感のあるシーンでした。
赤色、2つの炎(ふたりのソリ)は金魚の色と似ているなぁと想い起こせば、2人の関係に入りこむ誰か・・・とそのとき気が付きました。この三匹目は”久美子が北宇治は実力勝負だから大丈夫!と招き入れた黒江"のメタファーなのではないでしょうか?ふたりのソリ、ふたりのトワイライトに割り込む新しい金魚。
最後は不穏な演出でしたが、麗奈と久美子は無事にソリを2人で吹く事が叶うのでしょうか。
作劇の問題ですがオーディションが1回から3回に増えたのは、高坂・黒江ソリが府大会や関西大会で実現してしまう伏線だと思うのは穿った見方でしょうか・・・。
次回も楽しみです。
引用
「響け!ユーフォニアム3」 より引用させて頂きました。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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