最近 1

明日は出かけるからネイルしよう!と思いつく。
出かける準備として服を選び、それに合わせたネイルを選ぶ。ごく当たり前のこと。
だけどわたしの場合は少し違う。
明日出かける、明日誰かに会う。
たぶん何も言わないが夫の目を気にしている。

わたしが休みの日で夫が仕事の日。
近所のスーパーではなく、一つ先の駅前で
購入した食材が冷蔵庫にあるとする。
たぶん何も聞かれないがそのパックは外して捨てる。目につかないように処分して別容器に入れ替える。

「明日何するの?」「今日はどこへ行ったの?」と
聞かれるのが嫌いだった。
新婚当初から。
深い意味なく聞かれていると分かっても、
わたしはわたしで自由でいたい。
放っておいてほしい。
あんな事やこんな事があった、と話すタイプではない。口数は少なく話すよりも聞き手でいたい。

ある日、夫にそう言ってみた。
分かってくれたのか?あまり聞かなくなった。
夫は1日のこと仕事のこと、わたしに話す。
聞き手であるわたしは妻の役目と思う。
けれどいつからか、夫婦の会話は減っていった。
趣味も考えている事も違う。
いろいろ食い違いすれ違っていった。

じぶんのことを話さないわたしは夫の不信をかい、
わたしは夫が思慮深さに欠けるように思えて、
気持ちが離れていった。

ある日、決定的な事件がおきて夫婦の間に、
ピリピリと亀裂が入った。
不信感でいっぱいの夫にわたしのプライバシーは
次々と侵害されていった。
離婚するしかない二人なのに離婚しなかった。
そういう事情があった。

そして今、私たちは二人で暮らしている。
詮索されたくないからいつも気をつけている。
疑わしいこともあると思う。
それはじぶんにとって、どうしても必要なこと。
ひらたくいえばわたしには護りたいものがあり、
それはかけがえのないものなので、
日々うまく取り繕って暮らしている。
だけどだいぶ疲れてきた。
やはり無理があるようだ。

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