あなた

いつもそうだ
怖がりなので
何枚も服を重ねる
雨や太陽を避けるため帽子を
目深くかぶる
武器になるかもしれない傘を持つ

気がつくと
あなたが全部
わたしの荷物を持っている
鎧の服 遮るガード 無用の刃

あなたは空いている手で
わたしと手を繋ぐ
黙っている
でもしっかりと前を見ている

俯いて
あなたの傍にいる
列車に乗るのだろうか
段差をこえ草むらをかき分ける
どこかへ行けるかもしれない

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