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「河内宙夢&イマジナリーフレンズ」1stアルバムに寄せて

東京から京都に来て、バンドを組んで、歌ができて、一緒に演奏した。
時には怒られて、悔しくて、枕を抱いて泣きながら眠ることもあった。
バンドを組むこととは、旅をすることと同じかもしれない。

ここにパッケージされた7曲は、僕にとってはもう過去の曲だ。今は節操ないくらい新しい曲を作っている。ウンチを催すように曲ができてしまう。
勿論これらの曲はこれからライブでも全力で歌い続けるつもりだが、再現、のつもりで歌うつもりはない。
死んだ曲たちはこれから何度でも瑞々しくよみがえる。それは皆さんがアルバムのふたを開けて再び心に流し込んだ時だと思います。流し込む価値はある。と自信はあります。どうかよろしくお願いします。
協力してくれたミロクレコーズ他、すべての人に感謝を。

小さな喫茶店で、一人パフェを食べて打ち上げをしながら。

──河内宙夢


「さよならしたら少し死ぬ」っていい言葉だなあ。
サウンドは苛立って歪んでいるのが死にそうでよい。
歌詞に聴くことが出来るパラノイアな面とリズムの絡み合いが独特だ。それによってネルシャツとコンバースが気になってしょうがない。そして「おっぱい目当て」でわたしは彼に釘付け。優しい顔して、まじめにおっぱいを歌う姿を是非観てみたい。

──鈴木博文(Metrotron Records主宰、ムーンライダーズ)


街をただ歩いてるだけでも"あの人は明らかに何者か"だなと思わせる人がいる。
俺らはただ歩いていても"何者か"にはならない。
でもそこら辺の"何者か"よりは"何か"が出来る気がしてるでしょ?言わないだけで。少し言いたげな顔をしながら。
そういう音楽だと思う。素敵です。

──田中ヤコブ(家主)


去年の秋、まだまだ暑かったころ、私は河内宙夢&スペースドリーマーズの1stデモを聴きまくっていた。好きな子ができて、その人のことを考えながら聴いていた。アツイ気持ち、ふと冷めていく気持ち、またアツくなる気持ち、、全部原色になっていった。その片想いは何の事も無く秋の終わりとともに消えてしまったけど、今でも彼らの音楽を聴くと原色の気持ちになる。
最近女友達と電話した時、彼女が「河内さんの歌声、なんか"おねだり"って言葉が浮かんでくる」と言っていた。
媚びやへんな孤独感はなくて、ペトペトくっついてくる気持ち良さがあるからかもしれない。

──不吉霊二(漫画家)


河内宙夢1stに寄せて

予定もない 約束もない 期待はある
ただ架空のあなたを待つのみの日々
さよならしたら少し死ぬ
ほんの少しだけ欠ける

君と僕がいて1人づつになって
甘い孤独を飲み干すと
残ったものは記憶の後味だけか
または妄想混じりのサイクリングか

戻ってきた街を独りでに歩くと
夏が来ている感覚が押し寄せた
嵐の中に僕は1人突っ立っている

河内宙夢の視界の中に搭乗してほっつき歩く
街と町と待ちの日々
無垢なようでちょっと焼かれた心の奥に
美しい風景を描く河内宙夢の音楽。

街角から墓場まで 独りでに歩くモノローグの日々を天然色で彩るアルバムだ。
なんていうかとっても暑い風を感じる。

──近藤正太(The SU、横沢俊一郎&レーザービームス)

これはもうエロと土着が同居したマスターベーション・ロックと言っていい。いまどきこんなに寂寞していて情けなくて諧謔味たっぷりの、でもどうしようもなくパヤパヤでチュッチュなロックンロールが聴けるなんて! くだらない相手とくだらないデートをするなら、河内宙夢のマスターベーション・ロックに操を捧げなよ。ほんの1時間程度でいいから。あなたの全人生を捧げろとは言わないから。

──岡村詩野(音楽ライター)

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