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帰京

7/1付で、名古屋から東京へ異動になった。

もともと東京で就職したところ、初期配属でいきなり名古屋にぶっ飛ばされた。
3年越しにようやく帰れる、といった状況だ。

私の地元は関西だが、学生時代は東京に住んでいたし、彼や家族も東京にいる。
なんなら週末だってめちゃくちゃ東京に通っていた。

なので、周囲からは『栄転だね』『おめでとう』『羨ましい、私も早く帰りたい』といった声が上がる。もちろん私はそれらの声に応え、感謝の意を伝える。

でも、正直めちゃくちゃ嬉しい!ようやく帰れる!みたいな感情がそこまで湧き上がってきていない。なぜか。

答えは明白。これまでの生活を結構気に入っていたからだ。

名古屋を拠点としつつ、週末は東京や関西を反復横跳びするような生活。

東京では友人や彼に会ったり音楽活動をしたりした。
名古屋でも友人を作り、こちらでもジャズのジャムセッションやライブの企画などをしていた。
時には大好きな近鉄特急に乗り、関西の実家でまったりしたり、地元の友人と遊んだりした。

(主に金銭的に)楽ではなかったものの、3拠点を駆けずり回る日々は、多動癖の私にとってなかなか悪くなかった。

これが東京暮らしになってしまうと、まず名古屋に行く機会はめっきり減る。

名古屋暮らししていた頃は『帰省』という名目でバカバカと東京に行けたが、今後はそんな大義名分もなくなってしまう。

もちろん名古屋に友人はいるが、なんせ泊まるための拠点がない。最近は宿泊代だって馬鹿にならないし、交通費だって往復2マンは下らない。

さらに関西なんて、一層遠くなってしまう。
名古屋から関西へは、近鉄特急が便利だ。
近鉄特急はとにかく安く、そんなに関西まで時間もかからず、景色もまったり楽しめて最高だった。
でも東京から行くとなると、流石に新幹線一択だ。
新幹線で行く関西は、ただただ遠く、でも爆速なので旅情も何もあったものではない(※個人の感想です)。

もちろん、お金だって高くなるので軽率には帰れない。
気軽に帰って安心できる場所が1つ減る、というのはなかなか悲しいものだ。

東京暮らしを始めるにあたり、いよいよ結婚の決断が間近に迫ってきている。
私はとにかく子どもが欲しい。でも、東京で子育てしながらフルタイム勤務するなんて、生半可な覚悟ではできないことだ。

これからは、子育てに全てを費やすための資金繰りが急務となる。
となると、JR東海に上納するお金なんて最優先で減らさなくてはならない。
軽い気持ちで行くだけで、平気で数万円がぶっ飛ぶ。もう自分の娯楽のためにそんなことをしている場合ではない。

私はもう、20代前半のうちにしっかり遊び尽くしたのだ。そろそろ腰を据える時なのだろう。
そう納得したいところだが、少なからず名残惜しさはある。3拠点反復横跳び生活、既に恋しい。。

まあ、こんなことを宣っているのも最初のうちだけで、私のことだから新しい暮らしにもすぐに順応することだろう。
今は東京での地獄の通勤に音を上げそうになっているが、それもおそらく時間の問題。昔だって平気で満員電車を乗りこなしていたんだから。

今週は仮住まいだが、週末には晴れて都内へ引っ越しする。
既に今月も、プライベートの予定がどんどん充実しつつあるし、新生活はきっと明るいものになることだろう。
寂しさこそあるが、将来に向け良い一歩を踏み出せている気がする。

改めて考えると、若いうちに転勤できて本当に良かった。
縁もゆかりもない土地に住む経験は、仕事にも生きたし、凝り固まった価値観を広げる一助となった。
いくら仕事で一生懸命に地方創生やエリア活性化のことを考えても、東京にこもっているんじゃ所詮は机上の空論だ。
名古屋なんて全国各地を鑑みると充分都会だが、世の中を牛耳る東京の経済規模とは比較にもならない。当たり前に人が少なく、サービスだって数うちゃ当たる訳じゃない。

チャンスも少なく、置かれている状況は東京より遥かに厳しい。
東京の理屈だけを元に軽率にサービスを全国展開するのは危険だ。ありふれた一般論だが、頭だけでなく、身を持って実感できた。

やっぱり、現地で生活し、地元の皆さんと一緒に汗を流して初めて分かることは山ほどあった。地元じゃない場所だからこそ、余計なバイアスもなく学ぶことができたと思う。

正直嘘みたいに忙しかったけど、名古屋に住んで一層、仕事を好きになった。
それにプライベートは3拠点で3倍楽しむことができた。
これらの経験を糧に、多分今後どんな環境でもやっていけるだろうな、という気がしている。

まともに料理ができないのでプライベートに不安はあるが、そういった苦手分野を克服しながら結婚準備をすることが今後の重要テーマになりそうだ。頑張ろう。

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