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思い込みってすごい

最近新たに発見があった。
私はどうやらものすごく思い込みが激しいらしい。

気づいたきっかけは、自身の弱点に関する考え方を指摘されたことだ。

私の弱点は多い。
『運動が出来ない』『とにかく鈍くさく、手先が不器用』『動物に嫌われる』『節約できない浪費家』『私の料理は絶対にマズくなる』『PC作業しててもマウスのエイムがクソでまともに作業できない』などなど。

基本的に、私は何をやっても大抵人並み以下だ。なのでせめて、自ら喧伝することで雑魚キャラとして周りに認知されて面白がってもらっている。

我ながら実際雑魚なんだと思っていたし、どうせならみんなに笑ってもらい、話のネタにした方が得だ。多少自尊心は傷つくけど。

...というのが、これまでの行動原理だった。

でも最近、『どうせ出来ない!という思い込みが、出来なさにブーストをかけているのでは?』と彼氏から指摘が入った。

解決策から無意識に目をそらし、わざわざ確実に上手くいかない選択をしている気がするとのこと。

例えば、彼からの『マウスのエイムがクソなら設定でマウスのスピード変更すればいいのでは?』というアドバイスに『でも画面酔いしそう』と返し、なあなあにしてしまったことがあった。ここにヒントがあるとのこと。

実際、試すこともせず、『どうせ画面酔いする』という結論を勝手に導き出し、すぐ諦めてしまっていた。
至って冷静に思考しているつもりだったが、言われてみれば『絶対うまくいくはずがない』というバイアスが裏にあったのは確かだ。
指摘されるまで全く気づきもしなかった。

彼いわく、私の思い込みは一級品らしい。
やれると思ったことは割と大変なはずのことでも当たり前にやれてしまうし、逆も然り。

確かにそうだ。
なんとかなる!とかいう思い込みの力だけでなんとかしてるシリーズ、思いつくだけでも下記の通り。

・激ムズ曲の演奏を限られた時間でマスターする
・無理のあるスケジュールでライブや演奏会を企画し、完遂する
・訳わからない仕組みのシステムや物品を長時間触りまくって使い方をマスターする
・所属団体の最強のホームページを作る!とか言ってデザイン素人なのにそれなりに評判良いものを生み出す
・コミュニティを仕切り、皆に概ね同じ方向を向かせる
・猛暑で死ぬと言われる環境でもコミケのためならケロッとしてる
・無理のある旅程を走りまくって1人でこなす
・理系科目は得意!1週間でなんとかなる!という謎の確信により、本当に毎回1週間の勉強だけで数Ⅲ物理の定期テストを高校卒業まで乗り切る

ただの手前味噌だが、これらについては、謎に出来るという確信がある。
もちろん、私の得意分野だから、というのもあるかもしれないが、自分が得意だと思っているものについてはなんか自信がつくのか、パフォーマンスにブーストがかかっている気がする。

明らかにヤバそうな時も、なんとかゴリ押せてしまっている。仮に問題が起こってもなんかカバーできているし、その時の精神的ストレスはやがて忘れ去ってしまう。
苦手だと思っていることについては嫌な記憶をネチネチ反芻して一生忘れないのに。

では逆に、私の弱点、改めて振り返ってみよう。

まず体育。
どうあがいても私にはできない、というイメージが強すぎる。
実際、本当に何やってもだめだった。舐められるのは嫌だったのでちゃんと人一倍練習したがダメだった。

でも、実は私は幼稚園時代までスポーツ万能だった。それこそ器械体操なんてクラス一番レベルだった。跳び箱なんて子ども用とはいえホイホイと8段くらい飛び越えていた。

ところが、小学校で友人が出来ず、放課後引き込もる生活を2年続けたら、気がついたら人一倍何も出来なくなっていた。

その時点で、改めてちゃんと練習すればなんとか挽回できたのかもしれない。

でも、私はそこで明確に『自分は引きこもりだから運動なんて出来なくなっちゃったんだ』という強烈な印象を持ってしまった。そこから巻き返すことは二度となかった。

運動ができないと、体育の授業を中心に集団の中で悪目立ちしがちだが、私は特別酷かった。
ドッジボールの球を顔面で受けたり、鉄棒から落ちたり、クラス全員が見守る中バレーボールのサーブを後ろにぶっ飛ばしたり、跳び箱に頭から突っ込んで鼻血を噴射したり...

笑われた経験ばかりを記憶し『どうせ運動できない』ことの根拠としてどんどん肉付けしてしまっていたと思う。
書き出してみると本当に鈍くさい。今思えば失敗するイメージが脳内を支配したままの状態で突き進んでいた影響が大きい気がする。

実際、理屈を理解さえすれば意外と運動の素質がない訳でもないと最近分かってきたし。
考えてみればスポーツって特に、イメージが大事なんじゃないかなと思う。

というか、私が鈍くさくなったのだって、きっかけは思い込みによるものだ。
私は、当時『おジャ魔女どれみ』のどれみちゃんに憧れていた。
みんなの悩みを解決し、友達が沢山いる彼女が羨ましかった。
そこで、形から入るべく、彼女の言動を真似てみることにした。

彼女の喋り方、キャラクター性を研究し、善行も真似たけど、同時に彼女のドジでマヌケなところも真似するようにやってしまった。
そうしたら友達は増えたが、本当にドジでマヌケになってしまったのだ。

すぐコケたり何かにぶつかったりするのも、最初はわざとやっていた。
これが思ったより上手くいき、みんなに笑ってもらえるから調子にのって続けてみた。
そうしたら、途中から本当によく転ぶようになってしまった。

他にも、料理が出来ないとかいう特性もそう。本当は意外とうまくできた実績もあるのに、その記憶に蓋をしていた。多分今だってやればできるんだと思う。

でもとにかくなんか理由をつけて逃げるうちに、本当の本当に料理が嫌いになってしまったし、嫌いだから手際も悪い。負のスパイラルに間違いなく入っている。

節約だって、あの超倹約家な姉の家族なんだから私にも出来るはず!と意気込んでいた大学時代は身を削ってでも貯金できていた。
諦めた現在の体たらくったらない。私にはどうせ無理だ!とか思ったが最後、歯止めの効かない大変な浪費家になってしまった。

思い込み次第でポジティブにもネガティブにも行動にブーストをかけられるのはある意味才能らしい。
だから、ちゃんとポジティブな方に活かした方が絶対お得だよ、と彼に言われた。ごもっとも。上手く活かせば明確な強みになりそうだ。

そんな訳で、ここ最近悪い思い込みは片っ端からやめてみることにしている。

『運動は多分理屈を理解し成功イメージさえ掴めばできる』『手先は不器用でも、ゴールイメージが明確なら多分目的は達成できる』『動物に嫌われると思ってるから嫌われる』『私の料理は経験次第でちゃんと美味しくなる』『マウスのエイムは設定で改善できる』

こんな方針でいきたい。

多少弱点があっても、ゴリ押しで正解に導いてしまえばよいのだ。

まずは、引っ越しが終わったら簡単な料理から再開していこうと思う。
あと、ダンスも習ってみよう。学生時代のダンスの授業は周りとのコンプレックスで散々だったけど、今回は初心者コースでしっかり手順を知り、コツを掴みたい。きっと私の趣味である合唱や楽器演奏の助けになることだろう。

考え方を変えるだけで、なんか急になんとかなる気がしてきた。思い込みってすごい。

ところで、今日は引っ越し準備デーのはずなんだけど、なーんにもしていない。ウケる。
でも人生6回目の引っ越しだ。私ならできる。間違いない。なんとかなるなる。

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