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いちにちは今よ

「今日は"いちにち"になったよ!」

夕暮れ時、3歳の娘がニコニコしながらそう言った。普段は対等に会話できるほどお喋りが上手な娘が、だ。

今日はいちにちになった???

理解力と想像力に乏しい私はすかさず
「そうなんだね〜どんな一日だった?」

すると
「パパとお医者さん行って〜あーんて口開けて〜頑張ったねってパパがお菓子買いに連れて行ってくれた」

うんうん。確かに小児科に行って帰りにたくさんご褒美を買ってもらって帰ってきた。朝は具合悪そうに咳き込んでいたのに、何だかすっかり元気だ。

「それで、"いちにち"って何?」
たまらず尋ねると娘はさも当然という顔で
「いちにちは今よ」
と言った。

やっぱりよく分からない。
でも何だか深い感じもする。

今この瞬間の連続が一日になるし
突き詰めると一日はずっとその時々の"今"なのかもしれない。

…にしても、娘の「今日がいちにちになった」は、母には真意はわからない。

でも娘が満足そうにそういうのだからきっと、
風邪ひいてパパが休んで病院に連れてってくれて頑張ってお口開けてご褒美にお菓子買ってもらってそれをママに報告して…何でもない一日が娘にとって何か特別な日になったのかもしれない。
そうだといいな。わからないけど。

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