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ポケット大増殖と祓い屋
大好きな祖父が亡くなって、形見に頭陀袋をもらったが、押入れに入れたまま忘れていた。
ある日、ゴソゴソと音がするので押入れを開けると袋が動いていた。
袋の中を覗くとポケットに妖かしの小爺がいた。
祓い屋だった祖父の式神である。
祖父には後継者がいなかったので、廃業したのだ。主が亡くなれば、、式神はその家を出て、どこへでも行けるはずだが、袋の中で眠っていたようだ。
「なんだ、小爺、お前、出て行かなかったのか?」
「ああ。」
次の日、ポケットが増えていた。
「おい、小爺、どういうことだよ。」
「わしも一人じゃ寂しいでなぁ、ヒトガタを作ったんじゃよ。」
「ポケット大増殖して楽しもうや。お前、祓い屋にならないか。」
「えー、いやだよ。」
「だってお前、見えるんだろ?。」
「妖かしか?見えるけど、祖父は後継者になれとは言わなかったよ。僕はどうやって祓い屋になるんだよ。」
「わしが教えてやるから大丈夫だよ。」
そして、僕の祓い屋修行が始まったのである。
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