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サインデザイン分析 #3 韓国編

韓国の鉄道のサインデザインをご紹介。ソウルの地下鉄と空港鉄道の2つです。

1 地下鉄のサインデザイン

ソウル市内の地下鉄の様子をご紹介。

ホームまでの道、日本と似てますね。

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照明の位置がかなり微妙で、天井から吊り下げられたサインボードが見えにくいです。明るさって大事。
出口の表記があることは一番先に目につきますが、これは左? 実際どうだったか忘れてしまったのですが、前に改札が見えるから多分まっすぐってこと…?
そして英文表記も気になりました。韓国語に合わせているため、文字間がかなり詰まっているものがあります。かなり近づかないと見えず、黄色の部分以外は見せる気が無いように感じてしましました。

続いては、ホーム。

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ほぼすべての駅には、ホームドアが設置されていました。日本は、ホームドアがない駅も結構あって、ホームの向かいの壁に広告がたくさん貼ってありますよね。

でも、ソウルではホームドアにモニターが設置してあって、そこに広告が流れていました。そして、ドア上に前後の駅や進行方向の表記があるのでとっても分かりやすかったです。

路線図をや列車の種類を色んなところに、掲示するよりも、実際の進行方向に沿って、平面のサインがあるだけですぐにわかる!
立体的な空間と平面的なサインをどう結びつけるかって、とても重要だなと感じます。

ホームドアに表記がある分、天井から吊り下げたサインボードはかなりシンプル。

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ここで気になったのが、1~8 の「~」の表記。「〇〇から〇〇まで」を表すとき、英文では「–」を使って表現するというのを本で読んだことがあったので、日本以外は「–」だと決め付けていました。
韓国人の教授に聞いてみると、韓国でも範囲を表すとき「~」を使うのだそう。でも、日本は、波ダッシュ「〜」なのに対して、韓国はチルダ「~」を使うらしいです。

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この駅は、なんだか落ち着いて大人っぽいデザインでした。ホームドアはマットな質感で、色数が少ない。足元にある出入り方向を表すマークは、点字ブロックに描かれていました。黄色とのコントラストで目に付くし、ごちゃごちゃしていなくていいなと思いました。注意表記も小さめですが、情報が絞られているので、ちゃんと目に付きます。

そろそろ地上に出ますよ。

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韓国の地下鉄で感じたのは、路線が多くてかなり入り組んでいること。初めてで慣れていないというのもありましたが、ホームがかなり深いところにあり、間違えると戻るのが大変でした。
なので、下の写真のように、B4→B2 125mのように、フロアと距離の表記があると安心しました。

ここで、忘れ物取扱所(Lost&Found services)のピクトグラムに注目。日本との違いを比べてみると……

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傘は同じですが、一番下をみると、日本は鞄なのに対し、韓国は携帯電話!気になったので、他の国も調べてみると、手袋だったり、帽子だったりと様々でした。
でも傘はどのピクトでも含まれていました。やっぱりどの国の人も忘れやすいのかな? 傘の形は特徴的なので、ピクトグラムにした時に分かりやすいということも考えられるかもしれません。

もう一つの違いは、韓国のピクトは丸っこいこと。韓国にも他に色んなデザインがあると思いますが、仁川空港のピクトも丸っこかったです。詳しくは#1をご覧ください。


2 空港鉄道 A'REX のサインデザイン

ソウル駅から仁川空港までノンストップで運行する直通列車を利用しました。時間が正確で乗車時間も短いので、多くの外国人観光客が利用していました。
そのため、英文サインやピクトグラムを多く使用している印象でしたが、何せソウル駅は様々な路線が通っているので、目に入ってくる情報が多くて、改札を探すのに少し迷いました。


改札に向かう途中で見た、ソウル駅のサイン。

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エレベーターのあらゆるところに車椅子マークが。

かなり目立っていました。下方の大きなピクトは、車椅子利用者の目線を意識しているのでしょうか。

そして、車椅子に乗っている人の重心が前にあり、アクティブさが感じられると思いました。

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日本の車椅子マークと比較すると、線に強弱があり、丸みもあって人間らしさが感じられます。


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こちらのピクトグラムも同様、丸みがあって、親しみを感じられました。ただ、よく見ると、足先や関節部分に不思議な角があって、独特な雰囲気。これは意図的なのでしょうか。溶けかけの氷みたいな形だな〜と思いました。


続いて、駅の中でスポットライトサインを発見!

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珍しいので目につくのですが、なかなか見えづらい…。特に文字の小さい英文は、実際に見てもかなり見えづらかったです。床の石の模様と相性が悪いのと、明るい空間なので、周りの光に負けているのが問題だと思いまいた。


無事に乗車券を購入し、ホームへ。

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そもそも路線が単純ということもありますが、時刻や乗車時間の表記も分かりやすく、乗客への配慮が感じられました。

強いていうなら、仁川空港のターミナル1と2のマークがあまり機能していないなと感じました。空港なのは分かるのですが、下の文字を見なければターミナル1か2かはわかりません。


車内にも進行方向の駅が書いてあって安心。日本語でも仁川國際空港と書いてありました。

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細かいところですが、少し馴染みの無い旧字体の「國」が使われていることが少し気になってしまいました。


3 まとめ

ソウルの鉄道は外国人も多く利用しますから、外国人に向けてもかなりサインデザインに気を使っているように感じました。

そして、背景色に黒やグレーを用いてネガ表現をするサインが多く見られた印象があります。全体的に落ち着いた雰囲気を感じました。




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